蟻は今日も迷路を作って

真面目な話からそうでない話まで。本当の話から嘘の話まで。蟻迷路(ありめいろ)という人が書いてます。

食事で幸せになりたみが深い

 は人と食事をするのがあまり好きではない。なぜなら、喋ればいいのか食べればいいのかわからないからだ。酒の場ならテキトーでいいのだけど、食事となると難しい。
 だから基本的には独りで食べるのが好きなのだけど、独りで食べると味気ないのはなぜだろう?
 独り暮らしをしていたころ、部屋で独り食事をするのが美味しくなかった。そもそも料理が美味しくなかったのかもしれないけど、なにせ私が作ったものなので、しかし、レシピサイト通りに作っても美味しくなくて、辟易した。そのうち自炊はやめてしまった。
 だからといって出来合いのものを食べても美味しくない。なんか味気がなくて、美味しいのだけど、おもしろくない。
 なんなのだろうか?
 でも、人がいたらいたで食べにくいし……。わがままか?


 実家に戻ると当然ながら母の手料理を家族と食べることになる。
 母の料理は美味しい。母の味というものはたしかに存在して、もっとも体に馴染んでくれる。なんだか落ち着く。
 こんなことを直接母には言わないけど、感謝してる。いつか食べられなくなる日が来ると思うと淋しい。オンリーワンなのだから。
 家族は心を許した仲であるもなにも家族なので、気に障ることはない。しかし、外食の場合、なぜかやっぱりそんなに美味しく感じない。
 なぜか?
 わからない。外食の味が私の舌に合わないわけではないのだ。ちゃんと美味しいし、また食べたいとも思うのだけど、やっぱり面白くないというか、温かいのに冷めた感じがするというか、食べても食べなくてもいいやとさえ思う。
 

 なんなんだ?
 私は好きな店に行って独りで食べても、美味しいとは思っても楽しい気分にはならない。幸せにはならない。
 なんなんだ?私はどうすればいいのだろう?食事で幸せになりたい。豊かになりたい。

 で、最近気づいたのだが、恋人と共にする食事が一番美味しい。
 なにを食べても美味しくて仕方ない。幸せでどうしようもない。半ば狂った気持ちになる。
 付き合い始めた当初、私は恋人を前にすると胸がいっぱいで食事がろくに喉を通らなかったのだが、今となってはなんでもかんでも美味しくてたまらず、つい食べ過ぎてしまう。彼女といることで私はデブになる。やめてくれ。やめないでくれ。
 これが幸せ太りってやつかな。

 

 

 え?結局惚気話かよ、と思った皆さん。

 


 ……はい。