蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

今日から本配属

    社してから先週まで本社で研修が続いていたが、優秀かどうかは関係なく、私と数人の研修生は、研修を先に抜けて今日から本配属となってしまった。

    研修もぜんぜん途中だったので、課題をほっぽり出して本配属。これまでは一体なんだったの?って感じだ。

    

    でも、不安はあるものの、よかったこともあって、それは、自宅と職場の距離が圧倒的に近くなったことだ。今までは本社まで片道2時間かかっていたけど、本配属されて職場が移ってから、片道1時間になった。中途半端な距離なので座るに座れないけど、まったく問題ない。むしろ運動になっていいくらいだ。

    2時間。

    2時間の猶予が生活に生まれたわけである。

    2時間あれば満足のいく温かいセックスができるし、車を出して夜の横浜を走ることもできる。また、ジャズバーでサックスの熱に浮かされたり、冬には編み物もできるだろう。盆栽の手入れをしてもいい。素敵な趣味だ。何をしてもいい時間なのだ。

    通勤時間は短ければ短いほどストレスがない。理想は自転車で15分くらいの距離だろうか。奴隷電車に乗らないのがベストである。

    

    今朝、いつもより遅い時間に出て、いつもよりも早く新しい職場に着いたので驚いた。こんなに近いのだ。今までの私はなんだったんだ?

    電車は混んでいて立ちっぱなしだったけれど、それはそんなに問題じゃあない。慣れた。時間が短縮されるとはこんなにも快適なものなのかその感動で充分だ。それだけで1日の心持ちが変わってくる。

 

 

    昨晩は興奮して2時間おきに目が覚めた。不安だった。なにせ、右も左もわからないまま航海へ出るようなものなのだ。

    でも、まぁなんとかなるだろう、という気もする。私はまっさらな初心者だけど、みんなはじめは初心者だったわけだし、みんなそれとなくできてるのだから、私にできないわけがない。心の耐えようだ。

    死にはしないだろう。

    だいいち死んだって大した問題じゃないのだ。この世は仮の世なんだから。

    この考え方を持つと、生きるのが少し楽になる。

 

 

    不安はかなり大きい。緊張もする。

    でも、ようやく、働いてお金がもらえるんだなぁと感慨も湧く。今まで研修だったので、学校みたいだった。

    今日、用意された自分のデスクとPC端末を見て、働くんだなぁという感じがした。

    働くのだ。いよいよ。

 

 

     職場の先輩方は中高年ばかりだけど優しげで、中国の富豪のように肥えている。いい感じだ。よく笑う。冗談が飛び交う。私の個人データが名前も含めてほとんど間違えていたけど、大丈夫だろうか。大丈夫なのだろう。そういう職場で、うまく回っているのだ。

 

 

    職場の近くに川が流れている。

    水の流れのあるところは、概していいところだ。力を受け流せる。流れにも乗りやすい。そして豊かだ。

 

 

    ともかく、そんな感じで、頑張っていくんだ おいらは。

     応援してくれよな。

    どのくらいで辞めるか賭けの対象になってるかもしれない。

     なるなよ。