蟻は今日も迷路を作って

真面目な話からそうでない話まで。本当の話から嘘の話まで。蟻迷路(ありめいろ)という人が書いてます。

『アルプスの少女ハイジ』のチーズパン・コンプレックス

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  は『ハイジ』に出てくるという、とろけたチーズをのせたパンに強烈な憧れを抱いている。

    50代のいいおばはんだというのに、これに猛烈に憧れているものだから、毎朝のように、市販の食パンに雪印のとろけるチーズをペッとのせて焼いたものを出す。

    これが母なりにつくるハイジのチーズパンなのだが、食べてみると絵面ほど美味しくない。なんなら、私は嫌いだ。

    あまりにも母が固執してチーズパンを食べさせるので、完全に嫌気がさしてもうやめてくれと数年前に頼んだほどだ。嫌悪感すらある。憎悪を抱いている。

 

    そもそもハイジの食べていたチーズパンとはなんなのだろうか?ハイジなんて古すぎて見たこともない、教えておじいさん、ならぬグーグル先生、ということで調べてみると、

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これか。

    

    なるほど、子どもが見たら美味しそうなやつだ。

    漫画やアニメに出てくる肉や食べ物はどうして美味しそうなのだろう。

    ONE PIECEの肉とか、ドラゴンボールの料理、NARUTOのラーメン……。

    アニメの中の食べ物に憧れる気持ちはよくわかる。『千と千尋の神隠し』の冒頭で両親が食べてるやつとか、正体不明の食事なのに美味しそうだった。

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    美味しそう……。

 

 

    それにしても母はチーズパンに固執しすぎである。高校生のときは毎朝チーズパンだったので嫌になり、そういうところから反抗期がはじまった。

    たしかにハイジのやつは美味しそうだけど、毎朝やりたくなるほどのものではないし、食パンにとろけるチーズ(ぜんぜんとろけない)をのせたところで、焼けたチーズのつんとしたにおいがするだけで美味しくもなんともない。そもそもパンもチーズも種類が違うものだから、うちでやるやつはフィクションのジェネリックでしかない。廉価版。それっぽいなにか、なのだ。

 

    私は毎朝のチーズパンが嫌で、他のものを食べたり、なにも食べないで学校へ行くなどして反抗していた。

    しかし、母がハイジのチーズパンを毎朝食べるという子どもの頃からの夢だったことを、廉価版ではあるけれど叶えている、叶えようとしているということを知ってから、なんかやるせなくなった。母の夢は息子である私にとっては堪え難いことだったのだから。複雑な感情になる。それでも食べないけど。

    

 

    母は、今もチーズパンを食べている。

    もうコンプレックスとしか思えない。前世チーズパンに親を殺されたのか?

 

    一方で私はバターをいい感じに塗って食べることを日課としている。

    アニメでよくある、食パンにバターが溶けているのが美味しそうでたまらなくて、憧れだからだ。

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