蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

映画的2つの持病

 私は持病が2つある。

ポセイドン時無呼吸症候群」と「シネマ前過剰尿意症」だ。

この二つの病がどのようなものか、知らない人も多いと思うので、紹介しよう。

マイナーな病気だけど、同じように苦しんでいる人がいるかもしれない。情報共有を図って、病気とどう付き合っていくか、考えたいと思う。

 

 

1.ポセイドン時無呼吸症候群

この病気が世間に公表されたのは、00年代後半だったように記憶している。

発表したのは月刊雑誌「まんがタウン」に連載していた『光の大社員』というギャグ漫画だった。傑作である。

その中の4コマ漫画のひとつにて、ある現象にこの「ポセイドン時無呼吸症候群」の名前が付けられた。

映画などで主人公がボンベ無しで水中に潜ったとき、一緒に息を止めちゃう現象

これに、この病に、名前がつけられたのだ。それが「ポセイドン時無呼吸症候群」である。略してポセイドン病。

 

私はずっとポセイドン病に悩まされていた。

ディープ・ブルー』とか観ていてキツかった。なにせ、水中でサメに喰われるのだ。いつ呼吸したらいいのやら区切りがつかない。

なぜ息を止めてしまうのかわからなかった。苦しくなったら普通に息するし、なんのために止めてるのかもよくわからない。臨場感を少しでも味わいたいのだろうか?

ただ、それにしては苦しくなったらすぐ息するし、水中に潜るシーンになると「息止めなきゃ……」と多少憂鬱な気分になるので、臨場感を味わいたいと思っているとは到底考えられず、無呼吸になることに誠意が見えない。限界まで息を止めるべきだ。

この年齢(23)になっても息を止めてしまう。もう反射と言っていいだろう。

 

 

 

2.シネマ前過剰尿意症

映画館の何が怖いって、上映中にトイレに行きにくいのが怖い。

それに、家とは違って一時停止できないから、トイレに行っている間に物語は進行し、重要な展開を迎えるかもしれない。

そういった諸処の懸念事項が私をトイレに行かせないし、余計に尿意を感じさせる。

その結果、映画が始まる前、異様に尿意を感じるようになる。

3分前に行ったのに、また行きたくなる。ここで一滴も残さず出しておかなかったら2時間後どうなるかわからない。映画が始まる前に行くべきだ。

今日も映画に行ったのだけど、おしっこして、手を洗っている時に「まだ出るのではないか」と不安になり、もう一度、した。無論、まったく出ない。結果、手を二度洗う。

これは一種の強迫性の精神病なのではないか。

「シネマ前過剰尿意症」なんてふざけた名前をつけたけど、これは映画に限った話ではなく、電車に乗る前やなにか大切なことの前に大抵起こる。トイレを済ませないと不安で仕方がない。それらの中でいちばん顕著なのが、映画の前というだけだ。

 

だから、トイレは好きだ。

いつでも漏らせるし、運が良ければ漏らす前に便座に座ることだってできる。

私が将来一戸建てを購入したら、全室トイレにしようと思う。安心できる暮らしをしたいのだ。

 

 

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