やることがなかったので、50音図を見ながらニヤニヤしていた。
こうして改めてまじまじ見つめていると、さまざまなことに気がつく。
あ〜な行が前半で、は〜わ行が後半だけど後半のクセすごいな。考案した人の冒険心がうかがえる。な行まで真面目にやったけど、は行で急に嫌気がさしたのだろう。
この中では ら行がいちばんエロい気がする。さ行は真面目タイプで、は行はなんでもそつなくこなせるタイプ。
それぞれの行にそれぞれのストーリーを感じつつニヤニヤしていると(よっぽど暇だったのだろう。就業時間中だというのに)、ふと疑問が湧いた。
なんで あ行の次が か行なんだ??
根本的すぎて盲点になっていた疑問だった。
50音図は生まれる前からこの順番で、神様が作ったものだからこの順番なんだよなぁってなんか無意識に思っていたけど、そんなわけないじゃないか。
作ったのは人間だ。
この順番にはなんらかの意図があるはずである。
↓
Googleで調べれば一発で答えは出てきそうでつまらないので、まずはちょっと考えてみよう。
あ行がいちばんはじめに来るのは、わかる。なぜなら日本語母音だからで、最も基礎的な発音であるからだ。母音がなければほかの音は生まれない。
それで、なぜ次に か行が来るのか?
か行の子音はkである。
日本には古代から「いろは歌」があって、それで50音を覚えていたのだけど、なんらかの理由があってわざわざ「いろは歌」を解体し、50音図を構築した。
体系化する必要があったのだろう。
「いろは歌みたいなふざけたやつじゃなくて、ちゃんとした、論理的なやつ考えようよ。他国に舐められるよこんなことじゃ」
たぶん、こういう理由で作ったのだ。いつの時代に構築されたのかは不明だが、他国と交流のあった時代、おそらく江戸終盤から明治時代にかけてであろう。
と考えるとここにおける他国とはアメリカをはじめとした西欧である。
当時の日本は西欧化を進めていたから、50音図にも西欧の影響が見られるはずである。
いや、全然見られんわ。
全然影響ないだろ。
影響あったら、あ行の次はバ行だろ。
なんなんだよ。
これでわかった、西欧の影響はない。皆無だ。ところで気になったのだが、なぜアルファベットはこの順番なのだろう……。
↓
もしかしたら、万葉集の影響があるのではないか?
元号だって万葉集から取ったわけだし、 日本のことが大好きな日本は万葉集も大好きだ。
たとえば万葉集に出てくる歌の頭文字の行から案を取ったのではなかろうか?
見てみよう。
万葉集第1巻 歌番号1番から見ていく。
おおおおおおおお!!!!
「こもよ」からはじまってる!!!!
か行からはじまってる!!!!
ちょっとこれはすごいんじゃないか?
まじか。驚いた。私は自分の読みの深さに脱帽したくなった。自分に敬礼したくなった。
歌番号2番を見てみよう。
はい解散。
や行ではじまってんじゃねーか。
なにが読みの深さだ。勘だろ。バカが。
↓
それからいろいろ考えてみたけど、結局よく分からなかった。
子音の並び、k s t n h m y r w にも法則性はなさそうだ。なんなんだ。
もしかして喃語(幼児が発する音)に根拠があるかと思ったが、よくわからない。
まじで1週間くらい考えたのだけど、ウンと頷けるアイデアは出てこなかった。
私はGoogleに尋ねることにした。
屈辱だ。
あっというまに調べられる。
時間の無為さを押し付けられる。
以下の記事を参考にした。
どうやら、サンスクリット語なる世界史の授業で聞いたことのある言葉が由来になっているらしい。
知るかっ!
そんで結局外国由来なのかよ。
だがここで、新たな疑問が湧いてきた。
なぜサンスクリット語はこの語順なのか?ということである。