掲題のときどきものすごいバカとは、私のことである。
私はときどきものすごいバカで、天然か、と言われさえする。
いつもは厳格な雰囲気で思慮深いので、家族からは「暗い男」などと揶揄されているのだが、50日にいっぺんくらいものすごいバカであることが発覚し「根暗バカ」などと揶揄されて、ひっそりと泣いていることを家族は知らない。
職場でも天然バカエピソードで笑われることが多く、ミスと言わないまでも天然行動をすると「蟻迷路は毎日楽しそうだな」と笑われる。
楽しいわけないだろ。
こちとらバカが露呈するので赤っ恥だ。そしてこういうとき大抵恥ずかしくて顔が赤くなるのでまた笑われる。
アニメかこいつは。
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今日、恋人の前でバカが露呈した。まぁ、たまによくあることではある。
私はもう1年くらい小物入れにある巾着を使っている。
その巾着はペットボトルのおまけで付いていたもので細長い形をしており、口のところがゴム輪になっている。ゴム輪になっているだけなので口を閉じることができず、また細長いので物を入れると取り出し難くて仕方がない。
なんだろう、この巾着を考えた人は、ものすごいバカなんだろうな。
ユーザーのことをちっとも考えてないもの。
口を結べないから仕方なく袋自体を折って、くしゃくしゃにして使うしかない。それでも錠剤など細かいものが袋口から溢れるのでほとんど袋としての意味をなしていない。
物を入れると取り出しにくいのは、そもそも口が両手を入れられるほど大きくなく、片手を入れると中が見えなくなるくらいの大きさだから、手で探るしかないために取り出したい物を一発で取り出せないことに要因がある。
印鑑、リップクリーム、スティックのり など似た形状のものがあると、いちいち取り出すときに確率の文章問題的な状況に陥るのだ。
大問5 確率
袋の中に印鑑1本、スティックのり2本、リップクリーム5本が入っているとき、以下の問いに答えなさい。
(1) 一度袋からひとつのものを取り出し、それを戻してもう一度引いたときに、2度とも印鑑を引く確率を求めよ。
(2)一度目にスティックのりを引き、それを元に戻さずに二度目を引いたときにもう1本の……。
うんぬん。
日常生活においてこんな悠長なことはない。
私は一発で印鑑を取り出したい人間なのだ。
と、このように使いにくい巾着を今日も使っていたのだが、目薬を取り出そうとしたとき恋人に、ずっと思っていたけどなんでそれ使っているの、と訊かれた。
「なんかさ、おまけでさ」
「ちょっと見せてよ、これなんの柄よ」
「なんだろう……電車?」
「なんで?」
「さぁ……おまけの巾着だよ」
「巾着じゃないじゃん。ペットボトルカバーじゃん。どっからどう見ても」
衝撃だった。
ペットボトルカバーだったのか。
たしかに形も大きさも500ミリペットボトルにちょうどよかったし、ペットボトルを入れてみたらすっぽり収まって、はは、これはペットボトルカバーだった。
私が1年間使ってきた使いにくい巾着は、そりゃ使いにくいわけだ。ペットボトルカバーなんだから。
「ときどき天然だよね」
そう言われて私は、いい感じの袋があったら入りたい気分だった。
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こういう、自分でも自分がどうかしている話がいくつかあって枚挙に暇がないのだが、皆さんにも「根暗バカ」と言われたらひとたまりもなく腐るので、本日はこのくらいにしておこう。あぢゅー(デュを舌足らずに発音)。