休日は生命活動を自粛し、ベッドに仰向けになり天井の何柄でもない「白」を見つめながら、「あばれる君の名字ってなんだろう」と考えながら過ごした。余命いくばくの暇つぶしか?
あばれる君の名字はなんだろう?
もちろん「あばれる君」というのは芸名であり、本名は別にある。あばれる君を知らない人のために軽く紹介しよう。
あばれる君(あばれるくん、1986年9月25日 - )は、日本のピン芸人。本名、古張 裕起(こばり ひろき)である。 福島県東白川郡矢祭町出身[1]。ワタナベエンターテインメント所属。身長180cm、体重65kg、靴28.0cm左利きである。
本名、古張(こばり)なんだ。
↓
本名はさしおいて、「あばれる君」に名字をつけるとしたらなにが適しているだろう?
人には適した名字というものがある。
この感覚を説明するのは難しいけど、鈴木さんは鈴木っぽい顔をしているし、佐々木さんは佐々木顔(ささきがお)をしている気がする。
多くの佐々木さんは「この人には佐々木以外はあり得ないな」って顔をしている。
結婚して名字が変わった人も最初は違和感があるけれど、たいていは時間が経つにつれて「この名字の顔つきになってきたな」「この名字らしい雰囲気になってきたね」「この名字が作る味付けになったな」と新しい名字に馴染んでくるものだ。
名字だけでなんとなくその人の輪郭が見えてくることもある。
たとえば勅使河原(てしがわら)さんの名前を見たら、細いちょび髭が生えてるんだろうなってわかるし、冷泉(れいぜい)さんだったら細いちょび髭が生えて烏帽子(えぼし)を戴頂しているんだろうなってわかる。
「なかやまきんに君」の「なかやま」感はすごいものがあって、「なかやま」以外はあり得ないなぁと感心する。
私も「あばれる君」につけるべき名字を考えたい。
「これ以外はありえない」と思える名字をつけてやりたい。昔の殿様みたいに名字を授けたい。
早速考えていこう。
↓
考えた結果、「吉田」がいいんじゃないか。
↓
吉田、から漂うなんかこう、皮膚の厚さというのかな、汗臭さ、脂感?そこが決め手になった。
全国の吉田さん、すみませんね。
すべての吉田さんが汗臭いわけはないんですよ。私の周りの吉田さんで汗臭い人もいません。
だけど、なぜだろう、「吉田」の字面からは汗臭さが漂うのです。恨むなら私ではなく、文字を恨んでくださいね。
吉田 あばれる
いいね。この調子で他の人も考えていこう。
・さかなクンの名字を考える。
言わずと知れた魚界隈(ぎょかいわい)のヒーロー、さかなクン氏。
絶滅したと思われたクニマスを再発見したり、国会でハコフグ帽子を戴頂したまま登壇したりと実績を伴った凄い人だ。
そんな さかなクン氏の名字は……
【森田】
森田 さかな (クン)
・りんごちゃん の名字を考える
りんごちゃんの芸風って、大クセなんだけどなんか安心感があるというか、嫌悪感が少ない気がしますね。
がんばってるなぁ~って応援したくなっちゃいます。
そんなりんごちゃんに授ける名字は……
【木戸】
木戸 りんご(ちゃん)
・逆に「いっこく堂」の名前を考える
日本一、いや世界一の腹話術師(腹話術師ってなんだよ)「いっこく堂」さん。
私は以前 いっこく堂さんを撃破する腹話術を考案した。完璧な腹話術を開発した。完璧な腹話術についてはいずれまた紹介するとして、彼の「名前」を考えてみよう。
いっこく堂ってすごい名字に適した名前はなんだろうか?
【國吉(くによし)】
一刻堂 國吉
いいね。
↓
このようにして私は休日を消費した。
天井は白いままなにも語らず、私の心にはなにも残っていない。こうやって死んでいくのかな。はは。
後悔できるほどできた人間でもねぇや。名前を捨てたい気分だ。
(ちゃんと調べたら「いっこく堂」は「いっこく」という名前でした)