私が小学生の頃は地震が少なかったようにおもう。
小学生の頃、というのは2000年代前半くらいのことだ。
もちろん、新潟での大きな地震や災害級の地震は日本各所であったけど、地元神奈川で震度3くらいの地震が頻発していたという記憶はない。
学校で避難訓練をしても、地震を経験したことがほとんどなかったので、こんなことやって意味があるのか疑問だった。「皆さんが静かになるまで3分20秒かかりました」などといちいち言う教務主任に生きる価値はあるのか、などと考えていた。
そのくらい、地震は少なかった。
学校で地震に遭うことは一度もなかったようにおもう。
もしかしたら、震度2くらいの揺れは在学中にもあったのかもしれないが、こちとら天下の男子小学生、常に動き続けているのでちょっとやそっとの揺れは感知しない。
変わったのは、3.11からだ。
あの年、私は中学校を3/9に卒業したばかりだった。
高校の入学前説明会でも余震はあったし授業中にやや強い揺れが襲うこともあった。
大学でもゼミの授業中に緊急地震速報が鳴り、授業が中断されたこともあった。
そのさい教授が「携帯の電源くらい切っておけ!」と怒鳴り散らし、ビル校舎の上階で揺れることこのうえなく、無茶苦茶だった。
余談だが、その教授はだんだんヒートアップしてブチギレることもあったし、教室に入って早々、暑さに怒鳴り散らすこともあったし、遅刻して教授の前を横切った学生に「生きるな」と脅迫したり、すごい人だった。血圧が高すぎて「これ以上キレたら死にますよ」と医者に言われていた。
教授の怒鳴りアラートが欲しいくらいであった。
ここ十年ちかく、関東地方では、十年前よりも地震が増えている気がする。
小学生の頃はちょっとした揺れにも「地震だ!」と言って騒ぎ、震度1でも大喜びで机の下に潜っていたものだが、3.11以来、馴れてしまって震度3くらいでは騒ぎもしなくなった。
震度4で「おや、ちょっと大きいですねぇ」と周囲と談笑するくらいだ。
それより上はあまり経験したことが無いのだが、5弱にもなると焦りはじめるだろう。
最大震度4くらいなら、それぞれに大喜利がはじまったり、心配しつつ住所を特定しようとする輩がいたり、なぜか尻を出す人などいておもしろい。
みんな、地震に馴れきっているのだ。
だけど、地震を舐めきっているわけではない。
大震災を数々経験してきた日本人は、ちょっとした地震くらいなら遊ぶ余裕すらある。20分後にはタイムラインから消える程度の話題でしかないのだ。
地 震 に 自 信 が あ る の だ な ぁ 。