蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

不本意な禁欲

れ?もしかして今ってラマダン(断食月)では?と思って調べてみたら、ぜんぜん違った。

なぜ今がラマダンだとおもったのだろう。何の脈絡もない。

 

ラマダンとは、イスラームにおける断食に励む期間のことである(ラマダンとは期間(月)の名称であり断食を意味する単語ではない)。

一か月の間、すべての信者は断食をしなければならない過酷な慣習である。

ただ、お日様の出ている間だけで、日没後には食事をしていいそうだ。でないとイスラームが絶滅してしまう。

また、飲食をはじめ、性交や娯楽なども慎み、総じて欲を捨てる試練とされている。

 

イスラーム喜捨(ザカート)が活発で、貧困な者への寄付や救済が社会全体で推奨され、習慣として募金や慈善が染みついている。喜捨ムスリムムスリマのおこなうべき義務のうちのひとつなのだ。

ラマダンの禁欲もその一環の意味合いがあり、禁欲をして苦しむことで試練を分かちあって貧者の苦しみを共有するといった目的もあるとかないとか。

じゃあ、いちおう、ラマダン月には、日ごろから飢えてる貧者は断食しなくてもいいのだろうか?

ただでさえ普段から食べるものが無く、誰よりも試練を与えられ、苦行をしている貧者が断食をする必要があるのだろうか……。

詳しいことはよくわからない。

 

   ↓

 

大学生の頃、アラビア語を第三外国語として受講していた。

第二外国語はフランス語だったのだが、たいしてやりたくもなかったので、かねてより習ってみたかったアラビア語を、単位として換算されないにもかかわらず受講していた。

あの、にょろりとした文字を書いて覚えることは楽しかったし、先生は10か国語くらいできるすこし頭のおかしいような人で、たとえばひとつの単語をエチオピア語からエジプト語、正則アラビア語トルコ語に発音を切り替えて、ドイツ語、英語に訳して語源を辿る旅の再現を一人でやってのける、なかなかクレイジーなおもしろい人だった。はじめて言語オタクを目にした。

 

ただ、なぜか私以外の学生はすでに仲間の輪を持っており、いつもどおり孤立したことが原因で、思うように授業に参加できなくなり、結局前期だけテストまで受けて後期は受講しなかった。

1年生の頃だったので授業数が多く、そのなかで割とヘヴィなアラビア語に時間を割くのがなかなか難しく、どれだけ頑張っても単位は貰えないというコスパの異常な悪さがあだとなった、という内訳もある。

 

今でもなんとなくアラビア文字は書けるけど、読めないし意味ももちろん分からない。継続的に続けないといけなかったのだ。

 

そのうちトルコやペルシャに行こうと思っているのだが、中東や西アジアは英語がほとんど通じないらしく、中東に行くために英語をやるくらいならフランス語をやった方がマシだと先生も言っていたくらいなので、ちょっとあのあたりの言葉を勉強しておかねばと思っている。

だけど、そんな時間はない。

一日が37時間くらいあればいいのになぁと最近思う。

 

やりたいことが多いのに仕事で疲れてすぐに寝ちゃうから、不本意禁欲生活をしていると言ってもいいだろう。睡眠欲には忠実なくせに。