蟻は今日も迷路を作って

真面目な話からそうでない話まで。本当の話から嘘の話まで。蟻迷路(ありめいろ)という人が書いてます。

0からトースターを作るような行為

くわかんね~技術って多い。

これいつも使ってるけど、実際どうなってんのかよくわからないな、というもの。

どうやって作ったのかよくわからないもの。

ボールペンなんて100円もしないで買えるものもあるけど、我々素人が0から作ろうと思ったら一体いくらくらいかかるのだろう。また、どうやって作ればいいのだろう。

皆が持っているスマートフォンなんて、これ、0から作ろうとおもったら一生かかっても無理だろう。貴重な資源が必要だし、専門的な理論と実践が必要になる。

 

私はエレキギターを弾くのだが、この構造もよくわからない。

 

弦を弾く → ピックアップが音を拾う(入力) → シールド(線)がアンプに信号を伝える → アンプから出力される

 

このくらいはわかる。問題は、音の信号が電気信号に変わり、最終的にまた音の信号となって出力されるということだ。

???

ものすごい糸電話、ということなのだろうか?

極論、シールドの中の銅線が震えているということなのだろうか?

エレキギターだけでなく、有線マイクやイヤホンにも同じことが言えて、音声信号が電気信号に変わり、音量が大きくなって音として出力されるそのメカニズムが不可思議でならない。たぶん説明されても納得できない自信がある。

 

   ↓

 

先日、どっかのホテルだったか忘れたけど、平成初期感のある施設の外面の大きな白い壁にその施設の名前と「ようこそ」的な文言が大きく書かれていたのを見た。

ちょっと昔の施設によく見るスタイルの看板の一種だ。

あの文字、どうやって書いたのだろう。

一文字あたりの大きさが私の身長くらいはありそうで、とてもあの大きさの文字を書く機械があるとは考えられなかった。

じゃあ手書きなのだろうか……あれだけ大きい字をどうやって美しく書くのか想像もつかない。

あの壁にぴったりの大きさに印刷するプリンターがあって、あらかじめプリントしたシールを現地の壁に貼り付けたのだろうか?

そんなプリンターあるのか??

 

 

人間の作ったものは不思議でいっぱいだ。

プラスチックだってよくわからない。石油なのだろうが、いったいどうやって作るのだろう。

 

このような疑問に徹底的に向き合い、挑戦をした人がいる。

その人の著書がこれだ。

f:id:arimeiro:20201003231028j:image

トーマス・トウェイツ『ゼロからトースターを作ってみた結果』

 

もともとブログの記事だったこともあって非常に読みやすく軽妙な語り口で、馬鹿馬鹿しくて面白く、人間の営みについて考えさせられる。

 

タイトル通り、0からトースターを作るエッセイである。

困難しかなく、不可能と妥協と努力を重ね、時には水たまりを電気分解して銅線を作り、時には手作りの炉を作り、また大手石油会社に頼み込んでバケツ一杯分の原油を手に入れようとしたり……行動力のある馬鹿、なのだが、これだけのことをしないとあの安いトースターすら作れず、これだけの努力が生産ラインに詰め込まれているにもかかわらず安くトースターを作ることのできる人間てすごい、と感心する。

 

人間て、じつは物凄いのだ。

 

ときどきこの本を読み返しては、身の回りの不思議な技術に思いを馳せて、まだまだ知らないことが沢山あることを思い知る。

よくわからないもので溢れてる、まるで魔法みたいだ。

だけど、これはぜんぶ人間が作ったものであるという点において、理解できないものではなくその気になれば作れるものだし使えるものだとおもうと、ワクワクしてくる。