ポケモン(初代)のアニメを26話まで見た。
26話は「エリカとクサイハナ」で、サトシは4つ目のバッジを手に入れる。(5つ目だったかもしれない)
毎話毎話ポケモンたちは可愛く、ロケット弾はラブリーチャーミーだ。
サトシは着々とストーリーを進め、仲間を増やしてきた。
戦い方も上手になってきている。危機的な状況で機転が利くし、何よりも勇気と根性がある。立派な男の子だ。
ポケモンたちと着実に絆を深め、たしかにライバルたちよりも進歩は遅いかもしれないけれど、素人目に見ても10歳のわりにはよくやっていると評価できる。私が10歳の頃なんて、たぶんダンゴムシとか食べてたとおもう。土を固めたものを頬張っていたとおもう。
だけど、サトシの仲間のポケモンのうち、一匹、仲間はずれがいる。
その子のことが気になってしかたない。
ピジョンだ。
ピジョンがいつ仲間になったか、私は覚えていない。
一週間余りで一気見した私ですら覚えていないのだから、サトシたちも覚えていないだろう。
いつの間にか捕らえられ、サトシのスタメン入りしていた。
初期こそ出番があったが、26話現在、ほとんど出番がない。
ピカチュウをはじめ、ゼニガメ・ヒトカゲ・フシギダネばかりが活躍し、そして出来事を解決してしまうので、ピジョン先輩の役目はないのだ。
おなじ飛行タイプのバタフリーが物語から退席してから、出番が増えるかと期待したが、ますます登場しなくなった。
それぞれの仲間のポケモンには馴れ初めやストーリーがあるのに、ピジョンには無く、思い入れも薄い。
能力的にも、ものすごい風を起こしたり、砂をかけたりと、なんだか地味だ。
電気や水や炎を吐かないし、バタフリーのように特殊な鱗粉も撒かない。
ピジョンの能力は使い勝手はいいはずなのに使いどころがなく、地味で、ポケモンというよりも要するに「デカい鳥」という印象が強い。
実際にピジョンがいたとして、その隣にダチョウがいたら、皆はダチョウを物珍しく見物に行くだろう。
そのくらい、魅力がないのだ。
実際は魅力があるのに、気付いてもらえないのだ。
なんとなく場に馴染めていない感じがする。
なんとなく誰からも相手にされていないような気がする。
やれと言われたらある程度はなんでもできるけれど、特筆してなにかができるわけではなく、器用貧乏な印象がある。
周りのみんなが特別凄いのではなく、自分に魅力がないだけなのではないか、という事実に気付く。
魅力がないだけじゃなく、それを伝える力もないし、(この後のことはつらくて書けない)。
ピジョンを見ていると(ほとんど登場しないので見れないのだが)、そういった自分の心のモヤモヤと重ねてしまう。
ああ、おれはピジョンか。そうおもう。
毎話、ピジョンが出ないと肩を落とす。
サトシ、たのむ、ピジョンに気付いてくれ。そうしてまた肩を落とす。
こんな扱いがあっては、永久にポケモンマスターなんかにはなれないとおもう。
懐いたら可愛いって。ピジョンも、私も。