今年の夏はまとまった休みを取れなさそうだ。
ちょうど夏に重大な案件が入っていて、はっきり言ってお祭り騒ぎみたいに忙しくなるから1週間のバカンスはお預けというわけだ。
私の所属するチームはシフト制の勤務で、夏休みは分散して取る。9月の前半までが夏休みを取得できる期間で、8月はまとまった休みを取れないとなると、9月にまとめるか8月に分散して取るかどちらかになる。
9月にまとめて取るのも難しいだろう。8月の後処理があるから。
夏休みと言うくらいだからまとまった休みじゃなきゃ嫌だ。
「支給される夏休みの日数は5日間で、それはまとめて取っても分散しても同じこと。数字上で合っていればいいのです」
そんな理屈はわかってるよ。
でも夏休みって理屈じゃなくね?
理屈じゃなくて情緒だろうがっ。
こちとら5日間しか支給されないのも腹を立ててるんじゃ。90日間休みにせい。
と、以前までなら言っていただろう。
たしかにまとまった休み(=バカンス)を欲してはいる。長い時間仕事のことを忘れていたい。
だが、これまでの経験上知っているのだ。
「休みが長いほど仕事復帰の反動が大きい」
9日間も休んだら休みの最終日は立てなくなり涅槃に入ってしまう。即身仏ここに完成。天上天下唯我独尊。アーメン。
それを考えると、こまめに三連休を取ったり、毎週の勤務を4日や3日にして息継ぎを多くした方がうまく泳げる気がするし、社会人的には肉体的にも良いだろう。
休み明けはどうしても初動が遅れるからな。こまめに休んだ方が業務が滞らなくていいもんだ。
やれやれ、社会人としてすっかり適格しちゃったな。
と、社会人的私は言うだろう。
が、どうだ。自分の胸に聞いてみれ。
お前(おれ)は本当に、夏休みを分散化していいと思っているのか?素直な心で答えてみよ。
答えは、ノーだ。
当たり前だ。休みはたっぷり、目一杯、ちょっと働きたくなるくらい、大袈裟なほど休んだ方がいいに決まってる。
しかも夏休みだぞ。ただの休みじゃない。夏休みだ。特別な響きのある言葉なんだ。サマー・バケイチョン。おれはなぁ、summer バケイチョンって英単語が一番好きなんだ。スペル忘れてっけど。
おうおうおう、素直な心で生きるぜ おれは。
めちゃくちゃ夏休みが欲しい。大学生の時みたいに。というかもう働きたくない。なにもせず金が欲しい非課税で。犬を飼いたい。猫を飼いたい。モネの絵画欲しい。値段を気にせずメシ食いたい。一日中してたい。この世のすべての本を読みたい。旅をしたい。海が見たい。人を愛したい。夏休みは出かけよう。砂漠捨てて、愛と海のあるところ。