四連休最後の日曜日はオリンピック漬けだった。
午前中はスケボーを観戦し、午後はテニスと柔道。
あらためて、競技と選手に罪はなく、スポーツから得られる感動は本物だと確信した。
齢を重ねるごとにスポーツで流す涙の量が多くなった。反比例して運動量が減った。
前頭葉の感情を抑制する機能が着実に弱まっているのだろう。スポーツ観戦中に血圧もかなり上がっているはずだ。最近腹も出てきた。白髪も増えている。順調に年齢を重ねている。
金メダルを獲る選手はもともと「金メダル最有力候補」なんて言われていて周囲からの期待も篤い場合が多い。
そういった期待の中できっちり結果を残す、その揺るぎない精神力の強さには圧倒される。年々、選手の年齢が私よりも下になっていく。まだ子どもなのに……と感心してしまう。
試合が終わった後に、選手同士が敬意とその複雑な感情を込めて抱き合う場面で毎回泣いてしまう。
スケートボードの王者と呼ばれたアメリカ選手が最後のトリックでミスをして堀米選手の金メダル確定した後、二人で抱擁してなにか言葉を交わしたところで涙があふれた。
堀米選手はその王者の選手の背中を追いかけてここまで強くなれたのだろう。
勝っても負けても複雑な感情があるに違いない。
言葉だけでは説明がつかず、ただそこに流れる涙のみによってのみ理解ができる感情。その感情の大きさにテレビの前で涙を流す。
柔道の阿部詩選手が一本を決めて金メダルを獲ったとき、相手の選手は茫然と畳に横になり放心していた。
そして銀メダルの表彰台でも悔し涙(悔しいだけの感情ではないだろうが)に濡れていた姿にまた心動かされた。
悔しいと腹の底から流れる涙。それだけに命をそそいだ証明。
本当に悔しかったのだろう。
また、同じように、喜びに流す涙も美しい。
兄の一二三選手と兄妹で金、か。
金メダル候補と目される中、かなりのプレッシャーもあった中で誠実に自分自身と向き合い、きっちりと結果を残せたことはまことに称賛に値するものだ(なんでこんな偉そうな語り口なのだろう)。
ひとつのことに命がけになって、全力を注ぎ、たゆまぬ鍛錬を続ける。
そのひたむきさの熱量に、とても澄んでいるものを見て、涙を流さずにはいられない。
スポーツの魅力は言葉では語りつくせない。そこには心からの感動がある。
ああ、四連休が終わっても頑張ろう。
なんか柔道を見た後に明日からの仕事が嫌だとかピーピー泣き言を言ってられなくなってきた。つらいものはつらいけど、ひたむきにやるしかない。
確実にパワーを貰えた。