こういうことを言葉にしてしまうと、言霊で本当に顕現してしまう恐れがあるのだが、これはもう未来予知でもなんでもなく現在進行形の悪夢なのであえて言葉にして昇華させようと思う。
最近まじで白髪が増えた。
なんか全体的にまんべんなく散らばってきて、キラキラ輝いて見える。こう書くと綺麗なものに見えるのかと誤解されそうだが、けっしてそうではなく、たとえば港の隅の水面に溜まった工業油が光っているのと同じ類のキラキラで、ゴミが光の反射加減できらめいているにすぎず、ポジティブなものではないのだ。ゴミが目立っていていいわけがない。
白髪以外にも悩みはある。
髪の毛がよく抜けるのだ。
これは本当にシャレにならない。
髪の毛抜けてる率高くて、パラパラとそこらに愛しい髪の毛たちが茫漠としているのを目にすると、いたたまれなく堪らない気持ちになる。
生え際が怖くて直視できない。でも確実にキてる。
このままいくんか?まじか?
そして最後にひとつ、極めつけの悩みがある。
それは彼女の一言がすべてのはじまりだった。
「なんかちょっと太ったよね?」
もう終わりだ。
白髪・ハゲ・デブ
中高年通行手形でも発行したんか。
まだ25やぞ。
おい。
搾取されてる。なにもかも。
なにか私から、大切なものが奪われていくような感覚。
実際に減っているのは毛量だけで白髪と脂肪は「増えている」のだが、それでもなにか、私の中の「ナニカ」がすり減っていくような感じがする。ほとんど痛みに近い感覚で。
奪われている。搾取されている。年金かよ。
奪われていると言えば年金。お前の話も今からするからな。我関せずな顔してんじゃねーぞ。
年金ももうやめろ。おれから獲るな。
その年金を貯金させてくれ。若者に。そうしないと生きていけないんだ。将来の資金にさせてくれ。いつか子どもができたときとかに使わせてくれ。家買うときとかに使わせてくれ。
せめてこのどうしようもない仕組みをどうにかしてくれ。年金獲ってもいいから、還元してくれ。
なにかを犠牲にして片方を生かす、って思想というか、そういう仕組みのシステムもうやめませんか。
仕事が充実してる人って私生活も充実してて、たとえば海外の女性で働いて活躍してる人は子育てや結婚やパートナーとの関係なども充実させている割合が高い。
相互に満ち足りているからこそ、双方をさらに高めていくことができるのだろう。
なにも奪ってはいけない。なにも犠牲にしてはいけない。
「犠牲の上に成り立っているんだよ」って話は現状を説明しているだけであって、その流れに逆らわずに乗っていなさいって忠告なんかじゃないのだ。そこでそうなのかと納得してはならない。
「じゃあどうにかしなきゃな」
誰かが犠牲になってほしくないし、誰のものも奪ってはいけないと思うのだ。誰かが割りを食うなんて状況が充実とか進歩なんて言えない。
そんなことを最近思うよ。日本だけじゃないよ。
話が逸れたけど、逸れてない。
私は毛髪も体型も尊厳も奪われていいわけがない。
少なくともそれを防ぐための努力を犠牲とは言わせないぞ。今に見てろ。