蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

「異世界桃太郎アンソロジー」は可能か?

 

「桃太郎」の主人公を女の子「桃子」に改編して鬼と戦わず話し合いで解決しました!これが新しい時代の教育です、ジェンダーギャップをなくしましょう!という反吐の出るのもおこがましい、大便に寄生する糞虫の消化器官に生息するバクテリア以下の発想のようなニュースを目にしてからいろいろ思うところがあって、「共産主義の桃太郎誰か書いてくれないかな」とツイートするに至った。

そういえばちょっと前にも、桃太郎がキビ団子を配って動物たちを家来にするのは報酬が無ければ自分の意志で動かない暗喩にも見え教育上よろしくないという意見が出ていたが、現代社会では「報酬を貰って仕事をする」、そうせねばならない決まりがあるため、むしろ資本家と労働者の関係を体現していてむしろ教育上良いではないかと思ったものだ。

なんなら、猿・犬・雉にどれだけの配分があったのか明記すべきだ。教育上そのほうがいいだろう。

 

おとぎ話は時代によって形を変える。

その時代にふさわしくないことが書いてあれば削除され他の要素に置き換えられる。「カチカチ山」はもともと残酷な復讐劇だが、時代に伴って優しく改変され、今では復讐を伴わなくなっているそうだ。復讐と正義は異なるのだ。

物語は時代の潮流に合わせて変えられる。「桃子」の登場もその一端だろう。にしても愚かだったし作り手が時代の波に乗れていない証左になってしまったけど。

 

時代によって物語が変わるのであれば、このように考えることもできる。

今の桃太郎は「今の時代だから存在する桃太郎」だと。

だからたとえば、もしも日本が共産主義国家だったら「桃太郎」の話はだいぶ変わっていたはずである。

共産主義だったら桃太郎という「資本家」と猿・犬・雉の「労働者」に分かれていていいはずがない。きび団子の報酬はすべての市民に平等に配分されねばならない。「鬼」はおそらく「株式」を発行している「資本家」である。

社会主義なら桃太郎はその時代の「書記長」が主人公だろう。むろん、裏切者は排除され歴史上から姿を消す。鬼が島も制圧後は「モモタロウグラード」に名前を変える。

前時代的な生活文化を保持しようとするおじいさん・おばあさんを文化大革命で排斥しよう。

 

このように、時代の思想が違えば桃太郎はまったく異なる展開を見せるのではないだろうか?

 

大政翼賛会の発行する「進め一億火の玉 桃太郎」読んでみたいな~……。

高度な人工知能が支配するディストピアの「<html lang="ja-jp" dir="ltr" ><head data-info="MOMOTAROU Ver.8.7.1">」もいいな……

あるいはもっと飛躍して、イカ星人が支配する世界で作られた桃太郎も読んでみたいし、中世ヨーロッパのキリスト教支配が強固な桃太郎とか……

 

こういう異世界の桃太郎を集めた同人誌、だれかお願いします。