蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

怠惰と発散。ときどき痴皇

間の七つの大罪は「傲慢」「強欲」「嫉妬」「憤怒」「色欲」「暴食」「怠惰」である。誰しもマイナスの側面でこれらのうちのどれかひとつを有しているだろう。二つ以上の大罪を犯している人もいるかもしれない。

幽遊白書』に出てくる奴隷商人・痴皇は4つか5つクリアしている。立派なことだ。

かく言う私は「怠惰」を司る。

サボリ癖がひどくて、いつか怠惰によって大変な目に遭って死ぬんだろうな、と自覚している。が、そのクセを治せない。たぶん痛い目に遭ってもどうにもならない。なぜなら怠惰だから。

仕事は手を抜くし、やろうと決めたトレーニングは続かないし、ゲームすら面倒くさくて買っても手が出せない。眠るのも面倒くさい(嫌な夢ばかり見るから)のでだらだら起きていて、寝落ちするのを待っている状態だ。

 

そんな私が唯一続いているのがこのブログだ。

実は昨日のどうしようもない記事で(どうしようもなくなかった記事は無い)900本目を数えた。平均1000文字書いているものとして、少なくとも90万字も同じようなことを書き続けている。どうかしてる。

2019年から始めて今日までほとんど休まずに続いている。

休む日もある。忙しいうえに書くことがひとつも無い日だ。毎日語りかけることがあると思ったら大間違いだ。こちとらなんの変哲もない日々をガソリンのように浪費しているだけなのだ。刺激は少なく、書く題材に常に飢えている。

 

ブログを書くことがある種のストレス発散になっている。

私の恋人はその日にあったことや考えたことを言葉にして私に語ってストレスを発散しているようだが、それと同じで私にとってはその日に感じたことを文章に書き表してストレス発散をしているのだ。

ブログでは冗長に饒舌だけど、じつは実生活ではほとんど私は喋らない。

口から言葉にして文章を組み立てるのがひどく苦手というのもあるし、活舌が悪いのであまり喋りたくないというのもあるし、面白くない話しかできないのがコンプレックスでもあるし、お喋りをする友だちがいない(彼女しかいない)というのもある。

本来、こうして文章にせずともお喋りを通して発散できた言葉の魂を、因果なブログにしたためることで、ようやく発散できている。

一線超えればかなりヤバイ人だ。

 

だから怠惰を司る私でもブログは続いているのだろう。

書くことで発散できるばかりか、形としても残るし、私は私のブログが誰よりも好きで、たびたび読み返しては笑ったり推敲し直したりしている。

文章を書く練習にもなるし、生活のリズムができて健康的だし、私のブログを読んだ若い読者からファンレターを貰うこともあるし、農家の方からはありがたいことに季節の野菜を段ボールいっぱいにいただき、先日は3億円を拾えたらいいなぁと思った。まったくいいことづくめだといいのにな。

ブログを書くのにも、嘘をつくのにも、もはや義務感とか課題感は無く、歯を磨いたり糞尿を垂れるのと同じレベルの日常の動作のひとつにまでなっているので、きっとこれからも続くと思う。

齢を取って痴皇みたいに下品になったときに読み返して、くくく馬鹿だな、と笑いたい。

 

今週のお題「サボる」