ここ最近のスマホの充電は博奕だった。
就寝前にケーブルを挿して充電が開始されたことを確認し、一礼して祈り枕に頭をあずける。
そして朝、充電がされているかを確認する。
勝率は五分。充電できていない確率の方が高いかもしれない。
充電器の調子が悪くて、うまいこと充電ができなくなっているのだ。
酷いと「充電中」の表示はされているのに1%も進んでいないことがあったし、YouTube見ながら寝落ちした翌朝にはケーブルを挿していたのに3%になっていたこともあった。
仕方がないので出社して会社用スマートフォンの充電器を拝借し会社の電気で充電をする。本来、こういった行為は横領にあたるのかもしれないが、うちの会社では部長をはじめとしてみんな平然とそれをやっている。リモートワーク時に会社パソコンやスマホの充電に使っている自宅の電気代を負担してくれない分、取り返しているのである。
アダプターが悪いのか、ケーブルが悪いのか、あるいはどちらとも悪いのか、切り分けが難しい。なにせ充電できる時は充電できるし、できないときはできない。
ただ、普段の様子から察するに、アダプター側に問題がありそうな気配だった。
とりあえずアダプターだけを買いに行く。煌々と光る店内を散策し有機ELテレビに目を奪われつつ充電器コーナーを目指す。
うちの近所のビックカメラがそうなのか知らないけどいまはタイプCが主流のようで、タイプAだけのアダプターはひとつも売ってなかった。タイプCだけのものか、あるいは併存しているものしか置いてない。
時代だな。
ここから主流も変わっていくのか。データもほとんどクラウド保存になったしな。
これを機にタイプCへ切り替えてもいいのだけど、なにぶんパソコンと接続する時はタイプAが必要と考えるとやはりタイプAを続行するほかないだろう。パソコンと接続する機会もほとんどないのだが。
そんなわけで併存スタイルのものを購入し、早速に家で取り替えてみた。
するとどうだろう。
充電できない。
悪くなっていたのはアダプターではなくケーブルの方だったのだ。
ここでも博奕に敗れた。
ははは。いいんだ、別に。
あとはもう つまらない話。(最初からつまらない話だったって?)
次の日にタイプAのケーブルを買いに行き、家に帰ってケーブルを交換して、爆速で充電ができるようになっただけ。
安定した充電ができるって、素晴らしいことだと思う。