蟻は今日も迷路を作って

真面目な話からそうでない話まで。本当の話から嘘の話まで。蟻迷路(ありめいろ)という人が書いてます。

初めてPerfumeのライブに行った

めてPerfumeのライブに行ってきた。

9th Tour2022 "PLASMA" さいたまスーパーアリーナ公演だ。

(※ライブの内容についてネタバレはしてないつもりですが、してたら、すみません……)

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Perfumeは妻が最も好きなアーティストだ。

どれくらい好きかと言うと、ライブ映像を繰り返し見ながら毎回涙を流しているくらい好きで、もう10年は推している。そういう存在があるというのは、幸せな人生だと思う。

私も、当時まだ恋人にもなっていなかった妻となんとかして共通の話題を作るべく、Perfumeのアルバムを全部聴いていたので、だいたいの曲はわかる。でもガチの人たち程ではなくて、一般的なレベルで好き、くらいの感じだ。(ちなみに好きなアルバムは『⊿』)

しかしながら、ライブには一度も行ったことがなかった。

妻が一緒に行きたいというので、もともと興味はあったし、今回はいい機会に巡り会えた。

 

Perfumeって、その実力は国内外に認められるもので、なんなら日本を代表するアーティストのひとつに数えられるとも思っていて、かなりキャリアも長いし古参のファンも多いしで、こういうアーティストのライブって初参戦するにはハードルが高いというか、なんか怖そうだな、と勝手にイメージしていた。

結論から言えば全然そんなことはなかった。

驚いたのが、観客のマナーが良かったところだ。

まず開演直前に「注意事項」がアナウンスされるのだが、その音声が流れた瞬間に客席が「しん──」と静まりかえる。

「声は出すな」「身振り手振りで楽しんで」くらいの、まぁ、よくライブ会場でアナウンスされる変哲のない内容なのだが、観客はそれを神からの啓示であるかのように注意深く耳を澄まして聴いている。ものすごく厳しい私立小学校で校長先生が喋る時ってこういう感じなんだろうな、と思った。「教育」が行き届いている。

奇声を発する人もなく、アナウンスが終わるといよいよライブが始まる。

ライブってどのアーティストもそうだけど、始まりがいちばんグッと気合が入っていていっきに世界に惹きこむ力を放出するので、なんなら前半のピークだと思っているのだが、Perfumeももちろんそうだった。

光の演出、舞台の演出、音響、そして現れる三人。

光が風のように会場を取り巻く。ステージ上ではこれからなにが起こるのか予想ができない動きをしている。

全身が泡立つ。

一寸たりとも見逃せない。

一秒たりとも聞き逃せない。

一気にステージに惹きこまれる。

頭の先からすっぽり魂を抜かれるみたいに。

ライブ映像で何回か観たはずなのに、生で見るとやっぱり違う。想像以上に、私が知っていた以上に、格好良い。

ちょっと涙が出るくらい格好良かった。

ダンスの一挙手一投足が音楽と一体化している。彼女たちの足の動きが、指先のしなやかさが、まるでダンスそれ自体が、音楽を奏でているみたいだ。音楽にノッているのではなく、音楽がダンスによって生まれるかのようなのだ。

 

トークがめちゃくちゃ長かったけど、もはや漫談みたいでおもしろかった。

パフォーマンス中は格好良くて、でもトーク中は今にも手を取れそうなほどにファンと心の距離が近くて、3人に「会いにきた」って感じがした。

「素敵な未来でまた会いましょう」と最後に言う。

3人は私たちと同じ現在を生きていて、等身大の人間で、誰にも未来なんてわからなくて。

でも、また会える未来はきっと素敵なのだろう、素敵なのだろう。

根拠はないけど強くそう思わせてくれた。

Perfumeと私たちは一緒に生きている。

ずっとこれからも。

たとえば今日死にたくて、最期にライブに行くかと会場を訪れた人がいたとしたら、その人はきっと明日も生きるだろう。

そんなライブ体験だった。

明日からもがんばろう、と思った。

素敵な未来を迎えるために。