蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

芋の不作か、みんなはどう思う。

つまいもが不作の可能性がある。

いや、知らないのだけど、今年のさつまいもはあまり美味しくない気がしている。それに値段も例年より高い気がしている。

毎年恒例となったさつまいもの炊き込みご飯を今期2回作ったのだが、2回とも、なんだか美味しくできていない。

さつまいもがパサパサとして米になじまず、味も湿った砂みたいで、はっきり言って美味しくないのだ。

私の調理が下手くそなのでは?

否。

去年は同じレシピで美味しく作れたのである。

去年のさつまいもご飯は、もっと甘味があって、香りからして秋の実りを感じさせる芳醇さがあったのに、今年のはなんだか、倉庫から発掘してきたボロボロのブーツを思わせるような悲壮感が全体的に漂っている。

芋全般が好物の妻にして、今回のさつまいもご飯の出来には閉口していた。

 

去年は特別美味しかったという説もある。

蜜が滴っていたし、芋自体の色味も溌剌として、そのまま絵の具にできそうだった。

もしかしたら去年の芋に畑の養分を吸われてしまったのかもしれない。

そもそも、ほんとうに今年のさつまいもが不作なのかどうかわからないで断定的に書いているが、私たちがスーパーで選んだ芋がダメなだけだった可能性は否定できない。

 

それにしても、日曜日に作り置きしておいて、平日それを楽しみに帰宅して、食べてみたら不味いなんて、なんという仕打ちか。

見た目が美味しそうであるだけに、裏切りに等しい出来事だ。仕事終わりはこの世のすべてが優しくあってほしい。

作り置きが失敗している描写を小説の中に登場させたら、犬がひどい目にあう描写と同じくらい、読者から批判されるに違いない。それくらい残酷な出来事と言って差し支えない気もするし、しない気もする。

私にはなにもわからない。

 

さつまいもの季節は始まったばかり。

今後の動向に注視していきたい。

各位、情報求ム。