夫婦でコロナになり、すぐに直面した問題が、水分問題だった。
蛇口を捻れば水は出てくるけど、風邪のときはできればポカリを飲むのが良いと相場は決まっている。
東京都に食料の配達を頼んだものの、心許ないので、ポカリだけは別途、密林で注文した。
ポカリの色の薄いやつ、イオンウォーターを買った。
(大塚製薬公式サイトより引用)
まず私はポカリのタイポグラフィ的なパッケージデザインが洗練されていてとても好きで、殊更にこのイオンウォーターは色が可愛くて、見かけたらつい買ってしまうほど大好きだ。
なんかこう、見てるだけで体が潤ってくるというか、究極的には自分自身がイオンウォーターになりたいな、とすら思える。
水になるってなんて素敵なことだろう、そう思う。
このイオンウォーターは味もいい。
ポカリほど甘くなく、経口補水液ほど事務的な味でもなく、ちょうどいいアッサリさなのだ。たぶんこれがいちばん、体の中に広がる水海に近い組成なのではないか。
グビグビ飲めて、即座に細胞膜の内側へ水分が行き渡っていくのを実感できる。それが嬉しい。楽しい。大好き。
密林で購入する際、しかしながら困ったことに、500mlの1ダースを欲しかったのだが、2ダースからしか取り扱いが無いようだった。
あとは900mlなら1ダース販売だったが、900て。水責めにでも使う気か?
しかたなしに500mlの2ダースセットを買った。まぁ、飲めばいいのだ。飲めば。酒を大量に飲んだ後、シメにポカリを一本飲むと二日酔いにならないらしいので、そういう使い方も可能だろう。
翌日には届くということで、これさえ届けば百人力だわい、と痛い喉をさすりながらシメシメ笑った。
なにがあったのかは知らないが、届いたのは三日後であった。たぶん、世間のサンタが忙しかったせいだろう。
24本とは数字だけ聞くと多いようだが、ダンボールでまとまってしまえば太めのコーギーくらいの大きさだから、都内のアパート住まいではそこそこに邪魔な印象を抱くものの、まぁコーギーと思えば悪くない気持ちだ。
それに中身はイオンウォーターだ。悪くない。
こんなにたくさんあったら、イオンウォーターの水海を作れそうだ。
私の症状は鼻水以外はほとんど良くなったのだが、妻の方はずっと喉が痛くて、咳もでている。熱はないのだが、この喉の痛みはいつ引くのだろうか?可哀想でならない。