蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

惨めなクリスマス

婦ともどもコロナに罹患して5日、クリスマスを迎えた。

本来、クリスマス・イブの夜には表参道でイルミネーションを見て、そのあとはお気に入りのイタリアンレストランを予約してディナーを過ごす予定だったのだが、当然、キャンセル。

つまらん。

 

世間がクリスマスで浮足立つのが腹だたしい。

みんなが楽しそうにしている中、私だけが辛い思いをしている・自粛しているこの構図は、浪人時代を思い出してよりいっそう惨めな気持ちになる。

妻は自分の誕生日とクリスマスを最も大切にしていて、とくにクリスマスはなにやら特別な一日であると決めて一か月くらい前からそわそわしているのだが、今年のこの仕打ちには閉口して気持ちもかなり塞がっている。

クリスマスをなんでもない一日だと思っている私ですら、この状況は腹だたしいのに、妻にしたらほとんど葬式みたいな気分だろう。

くさってる。まったくあきたりない。ちくしょうが。

どれだけ喚いても、病気はいなくならないし、失われた時間は戻ってこないのだ。

しかし、ただ絶望に打ちひしがれているだけじゃない。

こんなとき励みになるのが「今日一日の東京都の感染者数」のニュースだ。

1万8731人。

2万人近い人々が、同じようにクリスマスを丸つぶしにしてホゾを噛んでいる。

その事実になにか救われる。

同志。

おれたちは独りじゃないぜ。

Twitterで「コロナ クリスマス 台無し」「コロナ クリスマス キャンセル」「コロナ クリスマス 最悪」などと検索して同志の嘆きを見ている時間だけ、心が落ち着く。

巨人の星』のクリぼっち回を繰り返し見る。話の前後の文脈はわからないが、とにかく惨めな気持ちになれる。

youtu.be

そしてアニメと自分を比べて、ここまで惨めではないと安心できる。

星飛雄馬じゃなくてよかった。野球ロボットになるとクリスマスすらも楽しめなくなるのだ。

 

妻の体調があまり回復しなくて、熱はないものの、喉の奥が腫れあがっているようだ。咳が出て、痰が絡む。耳も痛いらしく、扁桃炎の可能性が高い。

日曜日でどこの病院もやっていないし、だいたいコロナで他の病気を併発すると外来で見てもらえない。

とりあえず明日、かかりつけ医に電話で相談しようと思う。