蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

君とだけドーナツ

近よく山下達郎の「Donut song」聴いていて、あぁいい歌だなぁなんて妻と話している。

歌詞に出てくる2人が可愛いし、ちょっとエロチックなのも甘くていい。顔中に砂糖をつけてドーナツを食べたい。菅田将暉がCMソングでカバーしているらしくて、それもなんだか彼に合っている気がして好感が持てる。

oh〜♪ 君とだけドーナツ♪

君と2人でドーナツを食べたい。そんな話を妻とよくしていた。

よくしていた、というか、病的に、ドーナツを食べたいとそればかり話しをしていた。

 

私たちは、ドーナツを食べたくて死にそうになっていたのだ。

 

結婚式前、私たちは禁欲生活をしていたのだ。

妻の方針により、夕飯での糖質は禁止、当然甘いものもお断り、酒なんてもってのほか。

私が欲望に負けてアイスを食べようとしたら「あ、食べるんだ」と言われてムカついたので、目の前でゴミ箱に捨てたりしていた。ゴミ箱に捨てたら捨てたで妻にドン引きされ、なんかゴミ箱から拾ってきて結局食べたりした。

むちゃくちゃだ。

むちゃくちゃだったが、効果はあった。

数日間の糖質制限で、普通にウエストが絞られて、ベルトの穴ひとつ分痩せることができた。ほんの2週間程度で、である。お昼以降は糖質を摂るのをやめただけだ。その恩恵はたしかにあった。

ただまぁ、甘いものを食べられないストレスというものはたしかにある。普段は甘いものに無頓着な私でも、イライラしたりわけもなく悲しくなったり、唐突に海が見たくなったりした。

「ドーナツ・ソング」を聴きながら「結婚式が終わったら、ミスドに行こうね」と約束をした。

私たちは、ドーナツに飢えていた。

 

先週、式が無事に終わったので、晴れてドーナツが解禁された。

早速近所のミスドに出かけて、坦々麺とドーナツを食べてきた。

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ああ、あらためて思う。

私はドーナツが大好きだ。

ミスドのドーナツなら一度に10輪は軽くいける。

ミスドのドーナツって、がっつり甘いわけではなくて、なんかちょうどいい甘さなんだよな。生地感も強くてしっかり食べ応えがあって。

どうやら嬉しそうに食べていたらしくて、妻が私の写真を撮った。妻も今日はよく笑っていた。

「結婚式、楽しかったけど、正直、今のほうが楽しいかもしれない…」と妻はエンゼルフレンチを頬張りながら言う。

そのとき店内に菅田将暉の「ドーナツ・ソング」が流れた。

oh〜♪ 君とだけドーナツ♪

途中に冷やし坦々麺を挟むとまたこれが効く。ミスドの麺類ってちょうどいい重さに設定されていて、ドーナツの邪魔をしないし、それでいて満足感もある。ドーナツを引き立ててくれる、メインでありながらサブなのだ。

そしてまたドーナツへ手がのびる。甘さと塩気の無限回廊、誕生。

なんて幸せなんだろう。

最後は2人でエンゼルクリーム♪

 

そういえば、去年入籍をした日のお昼にもミスドにきた。ミスドはなにかと私たちの記念に縁があるのかもしれない。これが銀座アスターとか高い店だったら大半なことだった。安い夫婦でよかった。

ドーナツは縁起物だ。

穴が空いてるから、先を見通せる。

またきっと、来年の初夏にも来るのだろう。