よくよく考えたら、この日本の人口の約半分を占める女性諸君は、そのほとんどが男子トイレに入ったことがないのではないか?当たり前すぎて気づかなかった。
同じように私たち男性も女子トイレに入ったことがない。入っていたとしてもごく幼少期に母親に連れられて、というのがほとんど。これ以外の理由で合法的に女子トイレに入れるのは至極限られた職務にあたる人だけだ。
でもまぁ、別に入れなくたって紳士たる私は困ることなんてなく、また入りたいとも思わない。女子トイレなんてのは、別に入らずとも、中の実態というのを容易に想像できるような退屈な場所なんだろうね。
個室が並んでいる。「音姫」と呼ばれる装置がある。生理用品が売られている場合もある(これは知らないけど、そういうものがあってもおかしくないと思う。たまにちり紙売ってるのとかあるし)。手洗い場で化粧を延々と直している人がいて、単に手を洗いたいだけなのに邪魔だな、と思うことがある。そんなところだろうか。
しかし、女性から男子トイレの実態を想像するのは少し難しいのではないだろうか。
なにせ、男子トイレには「小便器」があるのだ。これによってトイレ内の風景は女子トイレとは一線を画す。
⚫︎男子トイレの実態① 小便器がある
小便器とは、なんて語らなくてもいいだろうが、実は、洋式トイレに比べてスタイルというかデザインは多様性に富んでいることをご存知だろうか。
陶器のボディが床にまで伸びている大柄なものや、膝の高さあたりで止まっているもの、しずく型のもの、横から見ると直角三角形のような形をしたものなど、さまざまだ。かなり昔の古いものだと、単に「壁」しかないものもある。古い公園などに設置されていて、床と壁の間の側溝に定期的に水が流れるのだ。さすがに私も人生で一度しか見たことがなく、壁タイプには用を足すのにも抵抗感があった。
小便器の底には昔はよく丸い消臭剤が置かれていた。おしっこや洗浄の水をかけると丸い薬品が徐々に溶け、独特なにおいを発するのだ。キンモクセイとかバラとかレモンとかの類いのにおいではなく、「トイレの消臭剤のにおい」でしかない香りがした。
また、小便器の中の下のほうに、的(まと🎯)のようなものが描かれていることがある。それに的確に小便を当てると色が変わり、「当」などの文字が浮き上がる仕掛けが施されているのだ。小便をエンタメ化している。
これだけ書くとマジで男子ってくだらないと思われるかもしれないが、これは「ここにちゃんと小便を当ててくださいね」という施設からのメッセージでもある。なぜこんなことをするのか?
それは、実態として、小便器の周りは他人の小便でびしょびしょだからである。
信じ難いかもしれないが、男性は小用の際、半ばコントロールを失することがあり、大きく照準が逸れて放物線を便器から外してしまう場合があるのだ。
私はこれまでに一度もそういった経験がないのでどうしてそんなことになるのか理解できないのだが、やむを得ず手が不自由だったり、歳をとっていたり、集中力を欠いていたり、散水機のことを考えていたりするとそのような事態に陥るのかもしれない。
そういう事情があるため、「的」を設置して一点集中を促しているのである。
ここで浮かび上がる実態は「男子トイレは小便で汚れていることが多い」だ。
⚫︎男子トイレの実態② 他人のモノを見ることができる
小便器はご想像のとおり人々が横並びになって使うため、当然自分のすぐ隣で小用をしている人が存在している構図となる。隣にどんな人がいるのか顔も身なりもわかるわけだ。
仕切りもほぼない。9割、仕切りは設置されていない。だから、その気になれば、隣の人のモノを、見ることもできる。
これはなんだかすごいというか、男性は幼いころからこういう環境で生きてきたのだ、という感じがするものだ。
でもだからと言って、モノを覗きには行かないし(見たくない)、覗いてくる人もいない。
男子トイレはあくまでも人々の倫理観に託されているのである。
ちなみに、小さい子どもの尻を見ることはたまにある。
これはなにも私が尻を見に行っているわけではなく、男児は幼いうちは、ズボンとパンツを膝まで下ろしてオシッコするのが通例なのであって、図らずも目にしてしまうだけだ。
思えば私も小さいころはそうしていたのだが、どうしてそんなことをしていたのか。
ある程度大きくなると必要最小限に軽くズボンを下ろしたり、社会の窓を使用したりして用を済ますようになる。
⚫︎男子トイレの実態③ 手を洗わない
男性で手を洗わない人はそれなりにいる。
女性でもそんな人はいるだろうけど、男性は手を洗わない人が多いイメージだ。
洗ったとしても、ちょびっと水に触れる程度。
しっかり石鹸も使って洗っている人は少数派だろう。
なぜなのか。
知らないけど、女性よりも男性の方が性器に触っている気がするのだが。
⚫︎男子トイレの実態④ 外から見えることがあるけどいいのか?
公園とか寺とかにある、外に専用の建物として設置されているタイプのトイレは入口の作りが雑だ。
扉もなく、衝立すらもないため、全然外から丸見えになっていることがある。
これは、なんか、蔑ろにされていないか?と思わざるを得ない。
「どうせ男なんて隣の奴のチンポが見える状態でいつもしてんだから、外から見えるくらいどうってことないでしょ」
そう思われているフシがある。
私個人としては問題ないし、これを重大な問題と捉えている男性は少ないとも思われる(みんな普通にそこを利用してるから)のだが、問題と捉えていないことがそもそも問題だし、利用者がどう思ったかではなく、制作者が「どうせ男なんて丸見えでもどうってことないでしょ」と思ってこのような造りにしたことに問題があると思う。
そう、男の権利というのかな、なにかそういったものがコケにされている気がするんだ。
せめて入口から通路を作って見えないようにするとか、衝立を置くとかしませんか?
配慮のハの字もないことに悲しみを覚える(でも使うけど)。
⚫︎男子トイレの実態⑤ 並び方がわからない
男子トイレには小便器だけでなく、個室もある。
男子トイレだって混むときがあって、中に入ると小便用の列と個室用の列ができていたりする。これが、どっちがどちらの列なのか、わからない。
小便をしたくて並んでいたら、個室用の列だった、ということがよくある。
入口からどの列かわかればいいのだけど、中に入ってみないとそれが何の列なのかわからないところにシステム的な問題がある。
列になっているから並んでみたが、なかなか進まないから個室のものだとわかって、列を抜かして先頭まで躍り出ると案の定、小便器はガラガラに空いているということはよくある。
この列は進みが遅いからもしかしたら個室のやつか?と思い、列を抜かして見に行ってみると、小便器が2つあるうちひとつが故障していてそれで列をなしている、みたいなこともある。
ホンマにわからん。
「個室はこの列」みたいな表示もない。あるわけない。その場の雰囲気とノリで列を守っているのである(なぜなら男子トイレは人々の倫理観に託された空間だから)。
これは早急に政府が解決に臨むべき課題であるといえよう。
とりあえず、男子トイレの実態はこんなところだろうか。ほかにもまだありそうだが、ここまで書いたらだいぶスッキリした。
女性の皆さん、これだけ押さえておけば、いつ男子トイレに迷い込んだとしても、恥はかくまいよ。