蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

2021-01-01から1年間の記事一覧

年貢の納め時

今年は本をたくさん読めたし、映画も見たし、アニメもたくさん見て良い一年だったな~とほくほくした気持ちであると同時に、さてそれ以外にはなにかあったかというと特に何もない、停滞した一年だったと振り返る。 やりたかった転職もしなかったし、かといっ…

失われたピアスを求めて

先日、夜遅くに彼女が半べそで帰ってきた。 「帰り道にピアスを片方落とした」 詳しく話を聞いてみると、その日はピアスの調子が悪くてたびたび耳から落ちていたらしく、帰り道にも落ちそうな兆候があったのでいっそのこと自分で外してしまえと耳から取った…

あなたに会いに仕事へ行く

出社してなにが楽しいかって昼食くらいのものだけど、あとは強いて言えばそうだね、あれを見るのが楽しい。 「なんか最近ちょっといい雰囲気の男女社員」を見るのが楽しい。 いい雰囲気、というのは、つまり、LOVEのことだ。 とくに別のチームで動いている他…

嫌な思い出を忘れる方法

今週のお題「忘れたいこと」 忘れたいことほど忘れないように人間、というかすべての生き物はできている。 一度の失敗を深く記憶に刻み込むことで次から行動を修正する性質は、たとえば命を脅かす存在を遠ざけたり、食べ物を効率よく入手する手段に活かされ…

ユニクロのフリースだったなにか

お題「お気に入りの部屋着」 ユニクロのフリースがないと冬を越えられない。 逆に、ユニクロのフリースさえあれば冬なんてどうにだってなる。 ユニクロのフリースにはそう言わしめる実力と貫禄がある。実力とは私が実際に着用して実感しているその温かさのこ…

ランチョンマットを買うべきだ

ずーっと欲しかったランチョンマットをようやく買えた。 ランチョンマットを敷くだけでマジで料理の味がワンランク上がる。 チヂミと すまし汁と米だけのシンプルな食卓でもこのとおり、賑やかになる。カフェエか? 料理が映えるとテンションも上がる。誰か…

罪深い食事ができるうちに

久しぶりに、大好きな家系ラーメンを食べに行った。 かなり大雑把な説明だが、家系ラーメンというのはこってりした濃いめのラーメンである。 それを久しぶりに食べたら「あれ?」と思った。 なんだか、キツいのだ。 美味しい。美味しいのだけど、なんか段々…

デス・デザインの時代

最近、大学時代の友人らに会う機会があって、久しぶりに恋人や会社の人以外と喋ったのが新鮮だったし、それぞれの近況や変化を聞けて楽しかった。あと、他人の仕事の話は妙に面白かった。きっと聞く分には責任が無いからだろう。 激痩せした人こそいなかった…

最近無かった「ちょっといいこと」/ポイントカード・ラビリンス/最近あった「ちょっといいこと」

今週のお題「最近あったちょっといいこと」 たぶんあった。最近あったちょっといいこと。 たぶん、ちょっといいことあったはず、なのだけどうまく思い出せないのは、26年も生きていれば「はは、得したわ」程度の幸せなんて記憶容量にとどめておけるほど感動…

「ナナへの気持ち」への気持ち

スピッツの好きな曲はいくらでもあるのだけど、なかでもやっぱり好きなのは「ナナへの気持ち」(アルバム『インディゴ地平線(1996)』収録)だ。 マイナーな曲だしそこまで人気曲でもないけれど、大好きなので語らせてください。 「笑いすぎ?ふふふ……」とい…

食器棚を買う人

先日ついに食器棚を買った。食器棚を買ったことで、食器を買うことができるようになった。同棲をはじめてから1年4ヵ月が過ぎようとしていた。 これまでよく使う皿類はシンクの上に設置された網棚に置き、あまり使わないものはキッチン台の空いてるスペース…

食器棚を買う人工知能

先日ついに食器棚を買った。食器棚を買ったことで、食器を買うことができるようになった。同棲をはじめて1年4ヵ月が過ぎようとしていた。「いいなぁ」と彼女は言った。「私もそろそろ買おうかなー」「何を買ってないの?」「マグカップだけ持ってるけど………

靴の修理/修理された靴

仕事用の革靴のかかとがだいぶ擦り減ってしまって、はた目に見るとみすぼらしくいい加減にした方がよいと思って先日、修理に出した。 内側に傾くように擦り減っていて土踏まずのあたりが変に出っ張っている状態になり、これを見るだけで私が普段どれだけ異常…

フリクリ・フリクラ

『チェンソーマン』の藤本タツキ先生が自作に対して「(チェンソーマンは)ダークなフリクリ(を目指している)」と言っていた、ような情報をインターネットの渦潮の中で目撃してから、ずっと『フリクリ』が気になっていた。 というかその前からずっと気になっ…

これからぼちぼち更新になります

表題のとおり、今後はぼちぼち更新にします。 なぜなら、ブログの他に書きたいものがあるからです。 毎日落ち込んでばかりです。でも他に書きたいことがあるのです。 毎日疲れてます。でも他に書きたいことがあるのです。 書けば書くほど落ち込み、疲れ、落…

チョココロネのことどう思ってんのよ。はっきりしなさいよ。

チョココロネに対して抱いてる感情に、私はちゃんと向き合ってこなかった。 先日、同棲している恋人が自分の朝食用にチョココロネを買ってきたのを見て素直に「いいな」と私は言った。 「チョココロネ好きだったの?あなたのぶんも買ってきてあげればよかっ…

がんばってリラックスするな

お題「リラックス法」 リラックス方法について、ためしにAmazonでカテゴリーを「書籍」に絞って検索をしてみると、信じられない数の本がヒットする。 見て安らぐ系のたとえば風景や丸くて柔らかそうな動物などが載っている写真集や、あえて集中力を要する塗…

叫ぶための場所が圧倒的に不足している

今週のお題「叫びたい!」 都市にはさまざまな場所、さまざまな物、そしてさまざまな人がいて、少し歩けば世界中のグルメを堪能できるし、マイナースポーツの団体だってあるし、あらゆる施設が揃っていて一般生活において不便な思いをすることはほとんど機会…

3年目の変化

「蟻迷路さん的にはどう思いますか?」とクライアント側の上司に訊かれた。リモート会議での一場面である。 私の仕事の指示系統は、業務上他社に派遣されてそこで仕事をしていることから、クライアント側の上司と自社側の上司二人から指示を仰ぐ体制になって…

続・豆を数える/朗読の仕事

1か月くらい前に書いた「豆を数える仕事」がいまだに解決していない。 arimeiro.hatenablog.com ここで言う「豆」も「数を数える」仕事内容もカモフラージュなので、そういう仕事があるんだな、程度に読んでいただきたい。 ゴミまみれの部屋に散らばった赤と…

鮭は白身魚/ホイル焼きの妙/調理コスパ

白身魚と青魚と赤身魚があって、それぞれ違いがあって別々に好きだし、調理法によって美味しさが変わるので一概にどれか一つを選ぶことはできないのだけど、しいていえば白身魚が好きだ。たんぱくで。 そういえば鮭ってこれのうちのどれだよ、と訊かれたら困…

その一票は決して無力ではない

選挙に行こう。 私が子どもの頃から投票率は下がり続けていたが、まだまだ下がるらしい。下がれる余力を残しているらしい。 子どもの頃、私の周りの大人たちは誰も選挙に行っていなかったのでそれが普通だと思思い込んでいた。そういった環境のせいで学校で…

水を買う

2リットルペットボトルの水を買おうと思って1年が経った。 ずっと買えないでいたのは本当に理由がなくて、単に忘れていただけだ。 だいたい日中に「今日こそはAmazonで水を買うぞ」と思っても、仕事が終わるとそんなことは忘れて、1週間かそれ以上思い出さず…

オオカマンメー

あの頃はめちゃくちゃビビってた。 童話のオオカミに。 「三匹の子ぶた」が大好きで童話絵本を繰り返し読んだものだが、何度読んでもオオカミが恐ろしかった。息吹で藁の家を吹き飛ばしたり、体当たりで木造住宅を破壊したり、とてつもない奴だと思っていた…

獅子の死

ある夏に大きな蠅が家に入って来たことがあった。 蠅にしては大きい2センチくらいあったか。黒々として肉厚で、頭の近くを飛ばれると「ぶをん」と物々しい音を響かせた。 どこからどのようにして入ってきたのかわからないが、入ってきたからには逃がすか殺…

なぜ本を読むのかって

今週のお題「読書の秋」 読書って本来は自由で楽しいエンターテイメントのはずだ。 それはラノベにしたってそうだし、夏目漱石や村上春樹にしたってそうだ。 『資本論』がエンタメかはちょっと微妙だけど、物語や小説は基本的にはエンターテイメントだ。 読…

幸せになってほしい

遠距離恋愛ってしたことがないから想像がつかないのだけど、恋人と同棲を始める前、コロナで一か月くらいまったく会えなくなりLINEしかできなかった時期があって、それでさえ結構つらい思いをしたので、たとえばアメリカと日本で3年も一度も会わずに遠距離…

料理をするということは洗い物をするということだ

料理をするということは言い換えれば洗い物をすると言うに等しい。 「料理する人と皿洗いをする人は別なんじゃないの。家事は分担すべきじゃないの」 ↑ これは素人の考え あのね、料理中もボウルとか まな板とか包丁とか泡立て器とか菜箸とかボウル(大)とか…

蘇部健一『六枚のとんかつ』を読んだ

推理小説、ミステリーが最近好きだ。 先日綾辻行人の『十角館の殺人』を初めて読んでそのトリックの巧妙さに読みながら思わず「えっ」と声を出してしまった。そんなに多く小説を読んでないけど『十角館の殺人』は日本のミステリー小説史に残る傑作だと思った…

さようなら、蟻迷路

Twitterのアカウントはもともと140字小説を書くために作ったのだが、いつしかそれも書かなくなって専らブログの更新を伝えるアカウントとなり、たまに呟けば箸にも棒にもかからないようなくだらないことばかり、しかもほとんどは嘘ときているのでこれはもう…