蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

いい本との出会い

いい本との出会いとはすなわち、いい著者との出会いだ。 文芸に限って話を進めるけど、なかなかそういった作者には出会うことは叶わない。 人間にはそれぞれ性格や形があるように、文章にも性格と形がある。自分の心の凸凹な形状にぴったりと寄り添ってくれ…

肉焼きデー

ステーキ肉を焼くのは、初めていくスーパーのセルフレジを使うよりも、簡単だ。 妻がいない夜、私はファミレスなんぞに外食に出かけるよりも、安価なステーキ肉を買って焼くほうを選ぶ。 サイゼならまだしも、普通のファミレスって意外とお金がかかるもんだ…

桃太郎は「きびだんご」をステマしているのか?

ステマ。ステルスマーケティング。 SNSをはじめとしたインターネットで広告主がそれが広告であることを隠して宣伝すること。海外ではアンダーカバーマーケティングとも言われ、規制対象となるほど、問題となっている。 それを踏まえて『桃太郎』を思い出して…

欠如した自己肯定感の充足

金曜日に会議があって、そこで私は午前4時までかかって作成した企画のプレゼンをした。 今回、企画資料を作成するのも、そもそも企画を考えるのもまったく初めてで、先輩方のこれまでの会議の様子や資料をもとにして自分なりに企画を作り上げたのだが、これ…

場数をふみふみ

先輩と外部に打ち合わせへ。 つくづく自分の力不足を痛感する日々だが、その原因は仕事ができる偉大な先輩が近くにたくさんいることが原因だろう。私の周りにナメクジしかいなかったら、私は自分をこうも責めることはあるまい。 今日の打ち合わせの案件はは…

郎。

職場の近くにいわゆる二郎系のラーメン屋さんがあって、たまーに気が向いたら、そこで昼を食べることがある。 最初食べたときは、なんか、若者の食いもんだな、と思って、まぁ次はないかな、なんて評価を下したものだった。 しかし、しばらく日が空くと「た…

『今夜、すべてのバーで』を読んだ

さいきんは毎晩寝る前にウィスキーをダブルで一杯飲んでからベッドに潜り込んでいる。 そうするとなんとなく体が温まったような感じがするし、するりと眠りに入っていけて実に気持ちがいいのだ。 ところでウィスキーという飲み物は、いったい、不思議な酒だ…

はじめての企画書

仕事で、企画書を作らねばならなかった。 私は出版業界に勤めている。毎月のように本の企画を提出して企画会議にかけることをしなくてはならないのだが、まだ入社してばかりだということでこの3ヶ月は企画提出を免除させてもらっていた。 今月、はじめて企画…

おれもコンピューターおばあちゃんになりてェ

コンピューターおばあちゃん、という曲をご存知だろうか?「みんなのうた」になったり、Perfumeにカバーされていたりもするので知っている人も多いだろう。 私はこの曲が好きだ。 最初タイトルを見ただけでは「コンピューターおばあちゃん」なんて訳のわから…

ヨドちゃんは海底へ、おれは会社へ

迷いクジラのヨドちゃん(淀ちゃん)がこの度、太平洋沖合へ「返還」されることになったという。 私は以前に田島木綿子さんの『海獣学者、クジラを解剖する』を読んでいたので、今回のヨドちゃんも和歌山かどこかの砂浜に埋葬されて、数年後に骨格標本となって…

子どもってさぁ……

会社の人が職場に赤ちゃんを連れてきた。 1歳半の幼児である。 大人になってからほとんど初めて赤ちゃんというものに触れたのだが、すごい生き物だ。 赤ちゃんを目にした途端になんか、脳の髄のとこから、ブシャァぁああああっと温かくて冷たい液体が噴出し…

セルゲームってなんだったんだ

※『ドラゴンボール』のネタバレを含み、また用語についてはほとんど解説なく進むので、わからない人は原作を読んでください。また、筆者はだいぶおぼろげな記憶でモノを言ってます。すみません。 *********** ドラゴンボールの人造人間編の最終決…

優しいメールを書きたい

「君のメールはちょっと、端的にすぎるね」と上司から指摘を受けた。 私がメールをした相手からなぜか「謝罪」の返信があったのだ。 「君のメールは、なんだかちょっと、キレてるみたいで怖い」 「僕は怒っていませんよ」 「うん。だから問題なんだよ。もっ…

球体の奏でる音楽

私はこの表題の小沢健二のアルバムを聴いたことがないわけだが、名前だけは知っていて、機会があれば必ず聴いてみたいと思っているのはさておき、この言葉を思い出すのはいつも、ものすごい太っちょを見たときだ。 大なり小なり太っている人はたくさんいるし…

『神様家族』を読んだ

小5くらいのとき、ケーブルテレビのアニマックスで『神様家族』というアニメを放送していた。 神様の息子、神山佐間太郎が神様になるべく人間界で生活をするというギャグハートフルアニメだ。知ってる人はあまりいないだろう。 ライトノベルからアニメ化され…

川瀬巴水の画集を買う

川瀬巴水の画集を買った。 先月の誕生日プレゼントに図書カード2万円分を妻から貰って本をちまちま買っていたのだが、こういう機会にしか買えない本も欲しいと思い、購入に踏み切った。 川瀬巴水(かわせ はすい)は明治時代の新版画と呼ばれるジャンルの画家…

中華屋の店員

会社近くには中華料理屋がかなり多い。 知らないけど、多分100軒くらいある。 なのでお昼ご飯どこにしようかなと迷うことはあまりなく、なんとなくのテンションと値段で決めて、テキトーに入ればなんとかなる。 でもまぁ、どこも似たり寄ったりだ。 めちゃく…

無力の痛感

自分はいつになったら周りと同じくらい働けるのだろう、と自分の無力を日々痛感している。 入社してから丸3ヶ月が経ち、年が明けてからいよいよ仕事内容もそれっぽく難しくなってきた。 今までは手を動かす作業が多かったが、年明けから複数にまたがる関係者…

似顔絵の魔力

機会があって、プロに似顔絵を描いてもらった。 私は大反対をしたのだが、妻がやろうやろうとせがんだ。子どものようにせがむので、結局折れて描いてもらった。たぶん、私に子どもができたら、子供にせがまれて私はあえなく折れるのだろうな。 似顔絵ってな…

クロッキー公開の是非

画家志望の人や美大生とか漫画家の卵なんかが、たとえば電車で乗り合わせた人を速写する絵の練習をクロッキーという。 有名な画家ともなると練習のためのクロッキーにあとから価値がついて美術館に額入りで展示されるなんてことも、ままある。 クロッキーは…

舌鼓はどんな音?

今年の5月に予定している結婚式の準備の一環として、披露宴会場のレストランでディナーをいただいた。ちょうどプロポーズから一年が過ぎたタイミングで、いい記念の夜になった。 結婚式場を選ぶ際にもっとも重点を置いて選んだのが食事の内容だ。 ご来席され…

喉に詰まる美味しさ

友だちと新年会をした。 埼玉に引っ越した友だちの家で。 埼玉は普段訪れることがないので(通常、世の中の仕組みとして埼玉県に用事は発生しえない)すごく遠い場所だと思っていたけど、JRに乗って本を読んでいたらあっという間だったし、堅牢な関所とか身分…

肌のために酒を断つべきか?

肌荒れがひどい。 アルコール9%の缶飲料を毎日飲み、ビタミンや食物繊維はサプリメントで補おうとして1週間過ごした結果だ。ざまあみろ。 酒を飲むと肌が荒れる。 おそらく、アルコールによって体内のビタミンやヒアルロン酸がすべて破壊されるのだろう。 そ…

仕事はじめ

じつに3週間弱ぶりに出社した。 去年の12月中頃にコロナになって、あとは在宅勤務をしていたのだ。 仕事柄、在宅勤務は不便でしかなく、必要な道具も取り寄せなければならないなど弊害しかなかったので、出社できて嬉しい。 帰省した先輩は、実家で自分以外…

西村賢太『誰もいない文学館』感想

西村賢太著『誰もいない文学館』を読んだ。 昨年の6月に発行された本、つまり氏が急逝されてからの刊行物ということになる。 西村さんの著作は一貫して私小説であり、そうでなければ「一私小説書きの日乗」をはじめとするエッセイが主たるものだ。この『誰…

初詣

近所の神社へ初詣に行った。 例年は明治神宮とか神田明神とか大きいところへ行きがちだけど、今年はコロナのこともあるので近所の小さな、けれどもそれなりに立派な神社へ参拝した。 3日とあってそんなに混んではいなかったが、地元の人々でそれなりに賑わっ…

鯛めしの労力

正月早々、鯛めしを作った。(写真はない) クリスマス前からコロナになってしまって年末の楽しい予定もすべてキャンセルしたし、ここ数日間はレトルトばかり食べていたので、正月くらいはなにか美味しいものを食べよう、と思った。 スーパーへ買い出しに行き…

雑煮戦線勃発

元日朝、起きてきた妻が「朝ごはんはカップスープでいい?」と訊いてきたので驚いた。いいわけないだろ。 「いいわけないだろ」憤然と私は言った。 「じゃあなに食べんの。パンないし」妻は漫然と応えた。 「なにって、決まってるだろ。今日は何月何日だ。い…