蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

真夜中洗濯機

勤務時間の都合で朝に家事をできなくなったので夜に洗濯機を回した。 夜中というほどの時間ではないけれど、すでに月は高く昇っているし眠っている人は眠っているかもしれない。そういう時間だった。 この日を逃すと台風が来て洗濯は絶望的なものとなり、室…

犬の呼吸からしか得られない栄養素

私が鬼殺隊だったら「犬の呼吸」を使うな〜。そんなのあるか知らんけど。獣の呼吸から派生して生まれないかな。 なぜなら犬の呼吸は可愛いからです。 すやすや眠る犬、尊い。 犬を飼っていたことがあるので私は知っているのだが、あのひとたちが眠っていると…

うまい棒計算

同棲生活において毎月の食費はいつも決まった額までと設定している。そこをオーバーすると僅かに自尊心が傷つく仕組みにして、生活費を計上しているのだ。 もちろんこれは恋人の趣向で、私はそういった金銭管理が苦手なのでとにかく彼女の言うがままにレシー…

営みの から揚げ

料理はほとんど毎日していて、外食で済ますことは少ない。それが偉いというわけではなくて単に節約のためなのだ。 どちらが何をするとも決まっていなくて、平日は先に帰ったほうが料理をするし、休日はやりたい方が包丁を握る。 私か恋人のどちらかが台所に…

羊の数え方/覚悟の決め方/夜の過ごし方

今週のお題「眠れないときにすること」 眠れないときは羊を数えるといいと聞くけど、その実(じつ)、数えるものはなんだっていい。 でもできれば現実とは関係のないものがいい。領収書の枚数やのこりの勤務日数や子どもの成績表の「5」の数を数えると眠れな…

梅酒できた

6月に漬けた梅酒をようやく飲めた。 漬けはじめた頃は「3か月なんて遠い未来のことだな。それまで生きてるかもわからないし、仕事も辞めているかもしれないし」などと思っていたけど、3か月は季節がひとつ終わる程度にあっという間で、なんとか生き延びた…

なにげない一瞬がなによりも尊い

ここ一年くらいのカメラフォルダは、料理の写真と実家の猫の写真で埋め尽くされている。 2年前まで遡るとデートをしている写真や恋人の写真が出てくるようになるが、ここ最近はほとんどお互いの写真は見当たらない。 一緒に暮らすようになって写真を撮らな…

反、について考える

反ワクチンの人たちを説得するにはどうすればいいのだろう、と考えたときにまずはジェンナーの種痘法からはじまるワクチンの歴史から解説した方がいいのだろうけどこちとら世界史の教科書で暗記した程度の知識だからあやふやな説明こそすべきではないし、か…

笑って死ぬためにスキレットを買う

スキレットって贅沢品じゃん。 鉄製の小さいフライパンみたいなやつで、やたらと重いのが特徴だ。 一般的なフライパンでできることをわざわざスキレットでやるために存在している。 雑貨屋によく売っていて、見かけるたびに手に取ってはこんな重いもンどこの…

バターを入れるためのケース

バターを入れるためのケースを欲しいと常々思っている。 一週間に8回は「欲しいなぁ」と思っている。 そもそも「バターを入れるためのケース」が存在していることが私は好きだ。 どこかの誰かが、あるいは同時発生的にさまざまな場所で多くの人が「バターを…

祝日の朝/羊羹みたいに細い家/おじいさん二人組の会話

ゴミを出しに外へ出ると、風が冷たく気持ちが良かった。陽にはまだ夏の名残があるけれど、空気の澄み方がすっかり秋だった。もう9月も終わりへ向かっている。 気分が良かったのでそのまま散歩へ繰り出した。 祝日の朝はゆるやかに時間が流れて、道を掃除す…

魚の骨を食べたくて

イワシと梅の煮物は味がとにかく好きなのだが、イワシの骨はとにかく煩わしくて嫌いだ。 魚の骨って無い方が最高だ。 魚の骨とブドウの種とレーズンパンのレーズンは3大「ない方が良いもの」とされている(レーズンパンは見た目で損してるから)。 イワシのち…

終点の街/養ってほしい

移動に際して乗り換えで知らない街に降りる。いつも利用している電車の行き先表示の終点の街に降り立ってみる。 意外と栄えてることもあるし、意外と鄙びていることもある。そこにあるのは意外性だ。 明らかに田舎っぽく冴えない名前をしているのにいざ降り…

落語を聴いて

さいきんよく落語を聴いている。 落語、と検索するだけでユーチューブにはいくらでも落語の動画が出てきて、公式に作品を出しているものも数多である。また、アマゾンミュージックにも噺家の名を入れれば作品集が出てくる。ありがたい時代だ。 昔──中高生の…

虚構症

なんでもかんでもブログに書いているな、と時々反省する。 思ったことやその日あった出来事、読んだ本のこと、観た映画のこと、手当たり次第に書いている。こうして書いていることも今日考えたことだ。 我ながら節操なく見える。 ブログになにを書くかは常に…

モデルナ・アームの裏技

昨日ワクチン接種の1回目を済ませてきた。 仕事や休みの都合が合わず、周囲の人に比べたら遅めの接種になったが、ともかく済ませてきた。 集団接種会場はシステマティックに運用されて無駄がなく、人々の誘導や掲示板はさまざまなエラーを繰り返しながら最適…

名前をつけてやる

アルファベットってたった26文字でこの世界のすべてを記述できるのすごすぎる。 単語も文法も組み合わせだけだし、単語に至っては ある程度の数を覚えると法則性が見えてきて(語頭と語尾の法則とか)覚えるのがさほど困難ではなくなるらしい。 それなのになん…

運転のコツ

自動車を運転するのは好きだ。他に車がいなければもっと楽しいと思う。 私は法令を遵守することに心血を注いでいる。自動車を用いてどこかへ移動することよりも、法令を遵守することが目的と化していて、うまく法律を守れると、日本国民として誇らしい気分に…

これからも繰り返すのだろう

彼女と付き合い始めてもうすぐ5年になる。 5年といえば0歳児が5歳になって落語の一席でも打てるようになるくらいの年月なわけで、大学の4年間を越す年月なわけで、オリンピックが2回できる年月なわけで、つまり、そういうわけなのである。 5年なんて短いもの…

やっと夏休み/人間それは愚かな生き物/パワー

残業して帰宅する道はいつもより広く感じて、夜は密度は濃く、街灯は特別な輝きを放っていた。 私は素晴らしい働きをして、すべての業務を先輩と後輩に引き継いだ。これで安心して、ようやく夏休みに入れる。 すっきりすべてを終わらせられたので、ほんとう…

あと1日/ぐうの音/勝者は誰だ

今日1日を乗り越えれば私はようやく夏休みに入れる。 夢の10連休だ。 10連休なんてしたら、もう、社会復帰できないよ。 休みに入る前に片付けねばならないことや引き継がねばならないことが山積している。休み中になにかトラブルが起こった時に「これあいつ…

くっせぇくっせぇくっせぇわ

布巾がくさい。 我が家では使う布巾をシンクの上に吊るされた棚に掛けておくのだが、これがまぁ、くさい。 台所で作業をしていると、布巾はちょうど顔付近で広げられ乾くのを今や遅しと待っているので、腐った水のようなニオイが鼻腔を刺激して食べたものを…

パンケーキを食べる生活

夜中にパンケーキを作っているときほど「大人になってよかった~」と思うこともない。 今回は腐りかけのバナナを消費するために、生地にココアパウダーを混ぜて焼いた。 どら焼きみたいな見た目になった。 「どのご家庭にもあるもの」で写真映えするパンケー…

バナナのある生活

バナナを買った。98円だった。 写真は一本食べてから撮った。バナナをバナナそれだけで食べたのは本当に久しぶりだった。 ご覧のとおり、かなり値引きされていただけあって結構熟れてしまっていて、じっと観察していると斑点がひとつひとつ増えていくのがわ…

好きなことで生きる/空/鯛

生きにくい世界だったので生きやすくしようとして、多様性、が殊更に叫ばれているが、それもまたそれでなんだか生きにくいよな、と思う。 「多様性」は誰かの生きにくさを認めてくれる便利な言葉だけど、細かくてさまざまな部分や物事を認めたり一括りにして…

スーパー・ファミチキ・タイム

「ファミキチ?わたし食べたことないかも。食べたことないわ、あの部活帰りの高校生が食べるようなやつでしょ。ファミキチ」 「ファミチキ、ね」 「ファミ、ファ、ファミキチ」 「ファミチキ」 「言いず、言いづらい。ファミキ……ファ、ミ、チ、キ」 「食べた…

オッドタクシーを観た。みんなも観なよ

「いいよー」と噂だったアニメ、『ODD TAXI (オッドタクシー)』をアマプラで観た。 本当に良かった。 小さな事件、小さなきっかけ、小さな謎が関連性を持って繋がっていき、最後はひとつになって炸裂する。伏線の回収のシナリオも見事でありながら、アニメ…

人は信じたいものを信じる

嘘も100回言えば真実となる。 これはたしかナチスの高官が言い残した恐ろしい意味を孕んだ言葉だ。プロパガンダとか人種差別とか ねじ曲がった歴史の解釈も大声で堂々と言い続けていればいつしか民衆はそれを真実と思い込む、そういう意図のあった発言だった…

コンビニ無制限購買欲求

ここさいきん粘着質な悪夢ばかり見ていて、寝起きは吐き捨てられたばかりのまだ温かいチューインガムを踏んだような気分だったのだが、先晩久しぶりに(長期休暇ほどのペースの久しさだ)良い夢を見れたので、記念にここに書いておこうと思う。 実にシンプルで…

曜日感覚/年月感覚

月、火曜、と2日間労働してみて体感する時間の長さは、土日のあの恐ろしく早く過ぎ去る時間と結局のところまぁおおよそ同じくらいか、と思う。 48時間なんてこんなもんだ、と思う。少し強がりながら。 真に恐るべきは水曜日以降だ。水曜の朝の時点では、まだ…