蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「友だちは少ない方がいい」に賛成だけど反対

友だちは少ない方がいい!と主張する人がいる。 全面的に賛成だ。 それについていろいろ理屈をこねてどろどろにしてやることはやろうと思えばできるのだけど、正直のところを言えば、そんな理屈によるところではなくて、私という人間が人間関係というものが…

幸せな話をしたい

平日、仕事が終わって食卓に座り、恋人と話すことといえばほとんどが仕事の愚痴になる。 お互いの料理の出来具合について総評したのち(おおむね好評である)、今日どれだけ嫌なことがあったか、恋人は話す。 私は聞きながら、半分くらい聞き流しながら、黙々…

鍋を肯定感で囲め

鍋っていいな、と昨晩おもった。 「鍋という道具はいいな。丸くて可愛いし、硬くて強そうだし。あの鍋に入って風呂としたいな。あの鍋に乗って空を飛べたらな」という意味ではなくて、料理としての鍋がいいな、という意味であるということは皆さん、人生経験…

恋と誤字は

誤字は永久になくならない。 たった1000文字程度のブログでも誤字はある。 私は書いたあと読み返して誤字や言い回しを確認し、もういいかと思ったら予約投稿に記事を保存するという生活を慎ましく続けている。金にはならないらしい。 だいたい眠る直前に書い…

モスバーガーの父娘

日曜日の晴れた昼下がりのモスバーガーでのことだ。 私はスパイシーモスバーガーとポテトをつまみに、ビールを飲んでいた。地元のモスバーガーはアルコールを提供しているのだ。 豊かな日曜日だった。 なにも憂鬱なことはなく、風が気持ちよく雲を運び、トン…

ポケモンを知らない男がアニメを第一話から観はじめた

三連休。 第三波。 「我慢の三連休」とか「5つの小」なんて言葉ばかりが先行するこの嫌な時代。 私と恋人はどこに行くともなくほとんどの時間を家で過ごし、日なたを見つめたり、本を読んだり、12時間寝たり、風の音が何に聞こえたか答えあい、雲が何に見え…

「読む」か「見る」か

Twitterに「フリート」と呼ばれる機能が実装されて最初の頃は非難轟々であったが、二週間もすれば馴れてきたのか、私のフォローする人たちは、時には不器用に、あるいは器用にフリート機能を使ってコンテンツを楽しんでいる。 フリートに投稿されたコンテン…

芸術はエンターテイメントだ

絵画の楽しみ方っていろいろある。 美術館に行くか、画集を眺めるか、美術館のデーターベースからオンラインで鑑賞するか、とにかく方法はたくさんある。 絵画のみならずあらゆる芸術作品にはさまざまな鑑賞手段があり、いくつかの方法で触れることができる…

美味しいフレンチトーストを焼くためのいくつかの約束事

フレンチトーストを焼く際の決まりごとはいくつかあるが、多くの場合、それらのことは市井に知られていない。 コンソメスープのすすり方にマナーがあるように、家系ラーメンのニンニクを入れる量とタイミングに流儀があるように、オムレツの作り方に型がある…

突然の小春日和が僕を蝕む

今週はなんだかずっと疲労感に襲われていた。 労働時間的にはほとんど定時で帰宅できていたのだが、全身が怠くて眠気があり、頭中で軟体の生物が脳みその溝を這いまわっているような不快感があった。ニキビが増え、口内炎が繁殖した。吐き気もある。 一体ど…

かつて黒い牛の背中だったもの

カバンの購入は急務であった。 プライベートで使用するカバンが、俗に「ズダ袋」と呼ばれているボロボロのトートバッグと、布製のカジュアルな肩バッグしか持っていなかったのだ。 夏の、Tシャツで出掛けるときはこの二つでもまったく問題がなかったのだが(…

愛されていると気付ける才能

できれば人々を愛したい。すべての人に愛を見出したい。優しくありたい。 そう思ってしまうのも一種の傲慢かもしれない。 「おれはお前に愛してほしいなんて一言も頼んでない」って本音だ。 すべての人を愛すなんて神さまだけに赦される傲慢さで、神さまは自…

拷問器具的発想

百均でおろし金を買った。 干物を焼くにあたって、やはり大根おろしがあったほうがオツというか、趣というか、要するに情緒ですよね、大根おろしはあった方がいい、と恋人と決議し、近所の百円ショップでおろし金を買った。 特筆すべきところのない、絵に描…

月面で高らかに中指を

野口聡一さんが再び宇宙へ飛び立つというめでたいニュースを見た。 めでたいのかはわからないけど、不幸なニュースではないはずだ。 地球を離れ、宇宙空間に飛び、さまざまな実験をしたり大虚空を観察し星々に思いを馳せたりすることが不幸なわけがない。希…

モンブランは秋の季語

モンブランは秋の季語である。 モンブランは栗からできている。その栗には旬がある。 ということは栗から作られるモンブランにも「旬」は発生する。 栗の旬は秋である。秋と言えば栗。栗と言えば秋。 となるとモンブランの旬はいつ頃になるかというと、ちょ…

コンテンツ飽食の時代

テレビ東京なんかでよくやってる「昭和の名曲選ベスト100」みたいな3時間くらいある番組を見ていて、いくつかのことをおもう。 まず、そろそろ昭和はやめたらどうか、ということ。 2世代前だぞ。「平成」という響きすら懐かしいのに昭和て。 でもそういう気…

人生はトーナメントでも選手権でもない

まじでどうしょうもなくて、どうだってよくて、気にすることなんかなにひとつない、考えるだけ無駄だし寝ていた方が生産的。 そんなものはたくさんあるけれど、なかでも「他人と比べること」ほど無駄でしょうもないものもない。 他人と自分の能力差を比べて…

「草食系」は やめれ

近年、草食系の30代が増えているらしい。 ヴィ―ガンが増えているのではなくて、恋愛に興味を持たず、結婚そして出産に踏み切らない「草食系」と呼ばれる人々が30代の内に増えているというのだ。 要するに恋愛に対して消極的であると。 さまざまな要因が考え…

ささやかに生きるにしても

コーラを飲みながらコーラフロートのことを考えると、ほのかにコーラフロートの風味を感じる気がする。対岸の霧の向こうでバニラアイスが手を振っている影が見える。 白米を食べながらせいろ蕎麦を考えても蕎麦の風味はしてこないが、塩むすびを想像すればそ…

月曜日を迎えるための心構えについて

最近は月曜日のことがあまり憎くなくなってきた。 「あまり憎くなくなってきた」だけであって、憎いことに変わりはない。「月曜日」はこの世にある概念の中で「死」の次に忌むべきものである。 ただ最近はその憎しみの度合いがやや薄れて、「死」と距離を離…

書物の消滅と古めかしい喫茶店の日曜日

恋人が家におらず、やることもなく暇だったので、そうだ、あれをやろうと思い立ち、昼頃に出かけた。 こういう日曜日には「あれ」をやると気分が良くなるんですよね。 「あれ」ってつまり、昼間からビールを飲んでぼーっとすることです。 実家にいた頃は海が…

まだ頭がフラフラするんだ

インフルエンザの予防接種をしなければ我々に未来はないとおもわれた。 しかし近所の医者どもに電話をかけるも「一打ち4000円だ」と言われたり、「もう在庫が無い」などと一蹴され続けたので、心は折れかけていた。 我々に未来はないのだ。 私が思い描いてい…

小説家になるにはどうすればよいのか

長年、と言ってもここ3年くらいのことなのだが、小説家になりたいなぁ、と漠然とおもっている。 とくに就職して日々を噛み潰して暮らすようになってから、時々耐え難い気持ちになって、ぜったいに小説家になってやる、と強く決心する日がある。 小説家にな…

第一印象は「最悪」でした

第一印象はかなり大事だ。 抱かれた第一印象はなかなか覆らず、第一印象で「最悪」と判断された場合、よっぽどのことが無ければその後良好な関係を構築することは難しくなる。 第一印象が薄れて別の印象に変わるまで、一か月くらいかかるってどこかに書いて…

豊かさのための家事

人に同棲している話をすると「家事するの?」「料理するの?」などと訊かれる。 「する」と答えると、えらいね、と言われる。 恋人も会社で訊かれるらしい。とくに私、つまり彼氏が料理をするのかとか掃除をするのかとか。 恋人は「する」と答える。 すると…

喋れないだけがコミュ障じゃない

衒学的(げんがくてき)になってしまう。 衒学的、とは、知識をひけらかすことを指す。その反対が韜晦(とうかい)だ。どちらもあまり良い意味としては使われない。 私としては知識をひけらかしているつもりもなく、カジュアルに知識から抜粋して会話を盛り…

霜月と占いに左右される男

もう11月である。 11月ってなんだっけ。そうそう、えーと、あ、霜月。 霜月の晩に。って『モチモチの木』にありましたよね。あの木はなんでモチモチの木って言うんでしたっけ。餅が採れるんでしたっけ。忘れましたよね。 まだ終わってもいないのに2020年が終…

話は変わるし、まとまらないし

寝不足でつらい週の後半だった。 いつもは0時前に寝て7時に起きる生活なのだが、ここ最近は2時過ぎに寝ていた。 意外と5時間睡眠は身体に合っていたようで、はじめ2日間くらいはぜんぜん元気だったのだが、しかし、3日目の金曜日にがくんと身体が怠くなり、…