蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

誰のためのハロウィンか

幼稚園生の頃、近所のママ友のやっている英語教室に通っていた。 そこでは毎年この時期にハロウィンパーティをやっていた。 まったく英語は身につかなかったけど、ハロウィンパーティが開かれていたことと、毎月細かい手書きで書かれたA3サイズの会報みたい…

伊藤健太郎に似ている

誰かに似ていると言われたことがない。 芸能人ならあの人に似てるって顔立ちがあるものだけど、私は誰に似ていると言われたことが無い。 「赤ん坊の頃は後頭部がブルース・ウィリスに似ていたのよ」と母は言うけど、そんなの、禿げてたからじゃないか。 それ…

旅行したい遠くへ行きたい

沖縄行きてぇ~~~~~~~~~~。 沖の縄。沖縄。行きたい。 あそこは現実から完全に切り離されている楽園だ。 たぶん、沖縄にいすぎると夢と現実の区別がそのうちつかなくなって、夢を現実と思い込み、現実を底知れない悪夢だと思い込んで、二度と元の生…

ご近所付き合い

隣の部屋の住人は小鳥を飼っている。 それも一羽ではなく、数羽だ。 夜、薄暗い部屋でテレビも点けずに壁を見つめていると、左隣りの部屋からかすかに「ぴよぴよ」と鳴き声が聞こえる。 日中窓を開けていると、お隣りさんも窓を開けているのだろう、鳴き声は…

爪は切られるために伸びる

爪を切るのは好きだ。 切られた爪がばらばらと広げたティッシュに撒かれると壮観だ。白いところのなくなった短い爪を見ると爽快だ。 切られた爪をまじまじと見つめながら、ああ一週間でこれだけ伸びたんだね、と愛しく語りかけたくもなる。 人の爪は死後も伸…

会社を休んでハンバーガーを食べに行く

三連休はのんびり過ごせた。 金曜日に有給休暇を取り、恋人と服を買いに行き、平日しかやっていないハンバーガー屋へ行った。 千代田区水道橋にある「アイコウシャ」だ。 tabelog.com ここのハンバーガーは、最高である。 炭火で焼いたような香ばしさと、粗…

【鬼滅】煉獄さんを物語から退席させた理由を考える【ネタバレ含】

(2021/9/26追記有) 「無限列車編」の原作を初めて読んだときに首を捻った。 主人公・炭治郎の属する鬼殺隊のなかでも有数の実力者「柱」と呼ばれる階級のうちの一人である煉獄 杏寿郎(れんごく きょうじゅろう)と名乗る男が戦いの中で死ぬのだが、死んだと…

服を買う日和

「服買ってよ」 恋人に3ヶ月くらい言われ続けてきた。 「まぁまぁ」 私はそう言って金を遣うのをためらってきた。服を買うために遣う金なんてなかった。本を買う金はいくらでもあるのだが。 これが、恋人のために服を買うなら私はためらわないのだが、自分の…

鬼滅はもういいよ

『鬼滅の刃』に関するワードが常にトレンド入りしている気がする。 右を見ても鬼滅、左を見ても鬼滅、前も後ろも右斜め上も鬼滅鬼滅鬼滅……そんなに鬼を滅したいなら勝手にすればいい。 と言いつつ、私も『鬼滅の刃』は大好きで、漫画はもちろん全巻揃えてい…

令和にそぐわない電球

ダイニングの電球が切れた。 実家の電気はほとんどLEDになって久しかったので、このアパートに引っ越してから久しぶりに「電球が切れる」事象に遭遇し、何とも懐かしい気持ちになった。そうだった、電球とは切れるものなのであった、と。 さっそく近くの電器…

ナスカの地上絵が描かれたシンプルな理由

結婚をすると夫婦で刺青をいれる風習がある。 僕たちはお互いが自分のパートナーであることの証に、それぞれの腕や背中やお腹に、二人だけのデザインを彫るのだ。 またこれは誓いの証でもある。 誓いを肉体に刻み込み、太陽のもとにさらして生活することで、…

仮眠と逃避

恋人は、帰宅して食事をし、片付けを私と一緒にした後、テレビやYouTubeを見ながらアイスやチョコレートを齧って、しばらくするとリビングに設置された私のベッドにもぐりこみ、そのまま寝てしまう。 だいたい眠りはじめるのは21時ごろからで、彼女が寝てい…

イケメンになりた~い!

高校の知り合いにものすごいイケメンがいて、入学式の日に私は「なぜこんなところにこんなイケメンがいるのだろう?」と疑問に思ったものだ。 のちのち他の友だちもみんな「なぜここにイケメンがいるのか?」と同じ疑問を抱えていたことを告白してくれたこと…

物語を消費する生き物

恋人が出がけに「本を持って行く」と言った。 天変地異でも起こるのか? 彼女が本を読むことはとても珍しい。 「読書の秋だからね」 そういえば昨日も彼女は吉本ばななを読んでいたし、どうやらそういうモードらしかった。 ところで彼女は本を読むのがとても…

本を捨てる覚悟、後悔、気付き、提案。

本は捨てないと場所を取る。 場所には限りがあり(日本の領土は狭い)、同居人との折り合いもある(彼女の機嫌を損ねてはならない)。一度読んだきり二度と開かれない本だって少なくない(たとえば教授の800ページに及ぶ怪文書と変わりのない論文集)。 そういうわ…

セルフ・カウンセリングに行き着く先はない

なんのために生まれたか、なぜ生きるのか、なんて問いかけは無意味だ。 われわれは生きてるから生きているに過ぎない、有機物なのである。 だけどつい「なぜ生きるのだろう?」などと余計なことを考えてしまう。それって 邪念に蝕まれて現実から目を背けたく…

VS. 蒸気でホットアイマスク&睡魔

しょぼしょぼする目をぎゅうと瞑り、眼球がひりひりした仕事帰りは、蒸気でホットアイマスクをするにかぎる。 パソコンに向かいきりでドライアイ気味になり、目が疲れているのだ。 こういう日は帰宅して食事をしたらとやかく言わずに横になって、好きな音楽…

筋トレのことは懺悔と呼ぶ

あ、やってない、とおもった。風呂の中で。 頭から湯をかぶりながら、流れるシャンプーの泡だまりを見つめながら、やらねば、とおもった。 筋トレをやらねばならない。 25歳児にもなろうという近頃、腹周りの肉が出てきた。 健康診断の結果が返ってきて、去…

言葉と生きていく

ふとした言葉の蓄積がやがて大きく重くなって誰かの肩を潰し、膝を砕き、立てなくさせることだってあるんだ。だから誰かにかける言葉は本来慎重にしなければならない。 だからといって慎重になりすぎると今度は言葉が出てこなくなってしまう。 誰かを傷つけ…

【飯テロ】食事の写真の是非【注意】

食事の写真を撮るのってどうなんだろう。 失礼なんじゃないか。そうおもう。 (神楽坂で食べた親子丼) 料理は基本的に出来たてが提供される。 料理が「今食べてほしい」という状態になったら提供される。 それを無碍(むげ)にするように、写真を撮って加工し、…

村上春樹はノーベル文学賞を獲れなくても落ち込むことはない。

「ノーベル文学賞を獲れなかったからってなにも落ち込むことはない」と彼は言った。 日本人でノーベル文学賞を獲ったのは、川端康成と大江健三郎の二人だけで、それ以外の作家はどれだけ素晴らしく、どれだけ優れていても、選ばれていないんだ。三島も谷崎も…

"みさえ" を練習し続けた1か月

─── 秋の初めのある晩 「中学のときとかさぁ、放課後に仲いい奴らとなんとなーく集まって、後ろの黒板に絵を描いたりしたじゃん。なんとなく」私は言った。 「うん。絵しりとりとかしてた」恋人は頷いた。 「そうそう。そんでさぁ、なんか先生の似顔絵とかキ…

”そういう時期”がやってきた

何を見てもムカつくし、何を食べても味気がないし、とにかく眠いけど眠りたくなくて、死にたいけど死にたくない。そんな気分で過ごした一週間だった。 朝に食べ物が喉を通らなくなった。 ハム一枚すら5分くらい咀嚼しないと飲み込めない。 そして一枚でお腹…

さよなら、動物病院

実家の近所の動物病院がなくなったらしい。 それを聞いて、なんか、ぽっかりと空洞ができたような気持になった。 その動物病院は、ペットショップに併設されていて、犬のトリミングもやっていた、小さいけど健やかな病院だった。 女の先生一人が犬と猫を診て…

秋の夜長の過ごし方

秋の夜長って言葉がある。 秋の夜は長いよーって意味だ。 馬鹿にしてんのか。 いままで私はこの言葉に対してちょっとした反感と言うか、侮蔑の情を抱いていた。 秋に限らず夜は夜だし、単に日が短くなっただけだろうが。なにをそれ特別な意味にしとるんじゃ…

きわまった退屈との格闘

仕事は忙しいくらいなら暇で平和な方がいいけど、何もすることが無くてただただ時間が過ぎ去っていくのを待つのは甚だ苦痛でもある。 こういうとき、在宅勤務で良かったと思うし、逆に会社に行けばなにかやることがあったんだろうな、ともおもう。 誰からの…

マイ・宗教の時代

SNS ─── 特にFacebookやインスタグラムを見ていると、みんなきらびやかで健やかで栄光の毎日を送っていてしかも輝かしい未来がつねに約束されているようなそぶりなので、すごいものだなぁとおもうけど、あれは嘘だ。 いや、嘘じゃないんだ。 嘘ではないのだ…

0からトースターを作るような行為

よくわかんね~技術って多い。 これいつも使ってるけど、実際どうなってんのかよくわからないな、というもの。 どうやって作ったのかよくわからないもの。 ボールペンなんて100円もしないで買えるものもあるけど、我々素人が0から作ろうと思ったら一体いくら…

なんだかとってもいい感じ

夜中にいきなりさ、じゃあないけど、昼頃に突然さ、友だち2人からLINEが来て、いろいろやり取りがあった末に、仕事終わりに銭湯へ行くことになった。 彼らは車に乗って21時頃に私の家の前までやって来た。 運転はさいきん免許を取った彼だ。 彼は免許を取る…

不本意な禁欲

あれ?もしかして今ってラマダン(断食月)では?と思って調べてみたら、ぜんぜん違った。 なぜ今がラマダンだとおもったのだろう。何の脈絡もない。 ラマダンとは、イスラームにおける断食に励む期間のことである(ラマダンとは期間(月)の名称であり断食を意味…