蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

2019-01-01から1ヶ月間の記事一覧

おっさん、あんたが好きだ

おっさんてなにかと世間から馬鹿にされたり、好きでハゲたわけじゃないのにハゲを揶揄されたり、好きでくさいわけじゃないのに「くさい」「死ね」などと言われ、年間2万7千頭以上のおっさんが自治体によって殺処分されているのは由々しき問題であると同時…

十代の魔法

親にもおじいさんにも偉人にも天皇陛下にも内閣総理大臣にも、この文章を読んでいるあなたにも、そして私にも、十代の頃はあった。 十代はケツの青いガキどもが狭い世界でこの世の春と言わんばかりに欣喜(きんき)と躍動の時代を謳歌しているから「青春」な…

世界の中心自分説

「普通」とか「当たり前」という言葉に苦しめられている皆さん、もう大丈夫ですよ。その悩みから解放してさしあげましょう。 私は昔から他人に「変わってる」とか「異常」とか「サイコパス」とか「精神疾患」とか「熱が出たときに見る夢の中の人」とか「無能…

わん

彼が小学1年生の夏、私たちは出会った。私はもともと彼の母親の友人宅に住んでたんだけど、先に住んでいた二人とそりが合わなくて、半ば追い出されるかたちで、この家に来たの。やんちゃだったのよ。 最初、彼は私を怖がっていたわ。ほら、私、すこし厳つい…

カプセルの中身

小学生時分、少食と偏食により栄養状態が悪かった私は毎朝、マルチビタミンのサプリメント・カプセルを嚥(の)むことを日課としていて、「その日」の朝もカロリーメイト(フルーツ)とビタミンカプセルと水というディストピアぶりを発揮した朝食を摂ってい…

好き嫌いをなくす方法

食べ物の好き嫌いが多い人は可哀そうだと思う。だって、美味しいと思える心の幅が狭くて人生が豊かじゃないからだ。余計なお世話? 今から余計なお世話をやっていくので、覚悟してください。 私は鼻垂れ坊主だった時分、好き嫌いが極めて多く、少食だったこ…

ロックだったあの頃

昔、バンドをやっていた。 中学の友だちと高校になってバンドを組み、私はギターボーカルで作詞作曲した曲を恥ずかしげもなく下手くそに歌っていた。孤独と愛と平和。永遠のテーマを。 でもメンバーはそれぞれ違う高校に通っていたので平日は集まれず、各々…

エクレアを食べるたび僕が思い出す香り

僕の部屋は妹と共有で、まじで最悪なんだけど、それはまあお互いさまということで、祖父が死んで部屋が空くまでは我慢するしかなく、祖父が死ぬくらいなら妹と同じ部屋でいいかなぁというか仕方ないというか、でもやっぱり部屋別にしたいなと思っているうち…

肉筆エロ説

過日、ペンを握って文章を書く機会があった。 近頃はパソコンで文章を書くことが圧倒的に多いため、久々にシャーペンを握ると、あれ、こんな持ち方だったっけかしら、とまず思い、字はよれて、消しゴムで消そうにもそういえば消しゴム使うのも400年ぶりだな…

村上春樹を読みすぎた者の末路

一月某日に卒業論文を提出した。2万4000字ほどの論文になった。 卒論の準備を始めたのは提出の一年前から。私は村上春樹の作品をテーマに書くと決めたので、その日から村上作品を片端から読み進めた。 村上春樹は好きだし、尊敬する作家であるが、一年間、…

パン屋襲撃

パン屋が好きだ。 駅前にパン屋があるだけで、あ、この街は良い街だな、と思う。 パン屋に行ったことがないという人のために説明すると、パン屋とはパンを専門に売っている店のことで、多くの場合は入り口にトレーとトングが設置されており、それを使って陳…

ブックカバーについて

レジで金子(きんす)を支払う際、コンビニやドラッグストアにおいても「カバー結構です」と言ってしまいそうになる奇妙な癖があって、言葉の先が前歯をかすめる寸前のところで思いとどまり、なんとか「袋結構です」と言い換えるのだが、そのたびに人知れず…

「一蘭」に行ったよ

過日、ラーメン・ショップ「一蘭」へ行った。 「一蘭」といえば都内の店は連日のように長蛇の列ができて多くの若者や外国人が並び豚骨ラーメンを啜らんと垂涎している店であり、私が足を運んだ店も三十分ほどの列ができていて、その半分は欧米人や、中国人を…

ブログはじめました

高校生の頃にバンドをやっていて、バンドのブログを運営していたのだが、書くことといえば音楽のことではなく日常に起こったことや考えたこと、落語みたいな作り話とか作り話に見せかけた事実とかばかり書いていたため、そのブログは全然閲覧者が増えなかっ…