蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

休日の空中ブランコ

ールデンウィークはたしかに始まったが、金曜日は営業日なので出社して残りカスみたいな仕事を片付けねばならない。

木曜日の休みは宙ぶらりんのイメージで、曜日感覚が狂ってしまった。

前日の水曜日が金曜日で、木曜日は日曜日で、金曜日は月曜日の気がする。

 

金曜日、ただ望むことは、何事もなく平和に終わることだけだ。

それはとても簡単なはずだ。

なにも問い合わせがなく、案件もなく、湖のように波立たない静かな一日であればいいだけだ。本来それはとても簡単なことなのだが、社会で実現するのは難しく、最終的には自分以外のすべての人間を破壊することでしか実現不可能な望みである。

だけど、一日くらい、それは可能だと思いたい。

休日に挟まれた、これもまたある意味宙ぶらりんの営業日。その一日くらい平和でもいいじゃないか。

GWに挟まれた金曜日の出社は「オマケ」みたいなものだと思っている。

 

GWはいろいろ遊びの予定を入れていて楽しみにしていたのだけど、緊急事態宣言のせいですべてキャンセルになった。コロナはほんとうにクソだ。何なんだ一体。人類のアンチか?(わかる)

なーんにもなくなっちゃったし、商業施設も都内は開いてないので、電車で30分ほどで行ける神奈川や埼玉に行こうかと画策したが、恋人に止められた。

「そういう人がいるからいけないんだよ」

電車を使わず、レンタカーを借りればそこまでリスクもないのではと思ったが、どうせみんな同じようなことを考えて大渋滞に巻き込まれるのは必至だから諦めた。高速道路を降りられずおしっこを漏らしそうになる未来がずばり見えた。

 

GWはせいぜい近所のカフェに行くくらいにとどめよう。

楽しみは期待するだけ虚しくなるからやめよう。本当に望んでいるのは触れ合うことや生の会話で、それでしか味わえない温度感なのだけど、今となっては諦めるより他ない。

仕方がない。あと5年くらいはこういう生活になると覚悟しているし、過去の疫病の歴史から考えると、なんなら30年くらいは、とも思っている。リスクの大きさは変わるかもしれないけど、マスク生活は10年くらいは覚悟した方が良いかもしれない。

 

宙ぶらりんの金曜日のモチベーションも、GW中の予定が失われたことで、完全に枯れてしまった。

金曜はもう休もうかな、とおもったけど、TODOリスト(脳内)を検算したところ、いくつか金曜日中にやるべき仕事が見つかってしまったので行くしかない。あの人に連絡し、あの端末を確認し、定期作業を締めなければならない。

かなり虚しくなる。

 

なにを楽しみに生きればいいだろう?

宙ぶらりんの気持ちは私とて同じだ。誰も乗っていない空中ブランコがぐったりと垂れさがっているかのような陰鬱さ。遣る瀬無くて、ひどく虚しい。

明るく躍動していたときを知っているからこそ、今の暗澹たる日々に見出した希望が無くなったとき、つらい。

 

ただ、悲しいことに、皆も自粛をしていてつらい目に遭っているというただそれだけが心の支えになっているので、なんていうか、がんばろう。