梅を漬けて2ヶ月になる。一個を除いてすべての梅が沈殿した。
この一個はしぶとく浮かんでいて、瓶ごとひっくり返してもまだ浮かんでくるので、なにか特別な力を持っているのかもしれない。
「腐ってるんじゃないの」彼女が言う。
その可能性もある。なんにせよわからないので、しばらくは静観しよう。腐ったり、激しく上下したり、「意志」を持ち始めたらただちに除去するまでだ。
蓋を開けるといよいよ梅の香りが濃くなって今にも飲めそうな雰囲気すらあるが、最低でも3か月ということなので、楽しみは初秋までお預けだ。
梅酒作りは「待つ」楽しみを教えてくれる贅沢な趣味だ。
他の果実でも挑戦してみたい。
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8月の初めから取り掛かっていた仕事がようやく終わった。
ベンダーに問い合わせをしたりユーザーと調整したり、中旬には私がその仕事の存在を完全に忘失していたこともあって、かなり時間がかかってしまった。
他の仕事が忙しくてベンダーに「どしたん?」って訊かれるまで完璧に忘れていたのだ。私の案件なのに。
そこから私の作業にかなり面倒な事態が発生し、簡単に言えばベンダーの指示するものと私の知っていることがまったく噛み合っておらず、過去(平成二十年代の資料)の手順書をようやく見つけたのだがまったく仕様も変わっていて使い物にならず、それでも頑張っていろいろと試してみたがどうにもならず、いよいよ「これ放っておいたらみんな忘れてどうにかなるんじゃないかな」と現実逃避をしていた。他の案件が忙しかったこともあって集中的にその仕事に取り組めなかったことも災いした。
などと言い訳をして見て見ぬふりをしても仕事は終わらない。
結局、その作業に詳しそうな人を見つけてきて相談したらなんとかなった。最初からその人に相談しておけばよかった。意地を張らずに頼ればよかったのだ。
社会人3年目の気付きは、仕事はやらなきゃ終わらない、ということだ。
これは不変の観念だ。最悪だが、やらなきゃ終わらないのだ、何事も。
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金曜夜、仕事が終わって夕飯を食べて、ゴロゴロしてたら眠くなってきて、30分ほど寝た。起きるとまぶたに重さが残っているが、無視して強炭酸で割った酒を飲むと目が覚める。
そこからつまみながらアニメや映画を観る。時間を有意義に使っていると感じる。
一度睡眠を挟んだことで曜日感覚がバグを起こしたのか、金曜の夜なのに土曜の夜みたいに感じた。
「うわ、もう土曜の夜かよ」と口で言いつつ、実はまだ金曜の夜なんですよ。最高じゃないですか?
このバグは、ブログを書いている現在も続いている。
そう、土曜の午前中なのに、なんとなく日曜の午前中のような気がするのだ。
これは素晴らしいライフハックを手に入れた、と思った。
私は優しいのでこのライフハックを読者の皆様にも教えてあげようと思った。