最近はなかなか140字小説を書けないでいる。
なにも思い浮かばないのだ。
現場に配属されて働きはじめてから作品投稿ペースがグンと落ちた。
以前は2、3日にいっぺん投稿できていたのに、最近は1週間にいっぺん投稿できたらいいくらいになっている。そろそろ140字小説アカウントであるという文言を消した方がいいかもしれない。
なにせ毎日に暇がない。
仕事中はまったく考えられないし、通勤時間は本を読んでいるし、帰ったらブログを書き、長い小説を書いているため、140字で収まる物語を考えられる脳容量がないのだ。
私の物語を作る脳みそは、コンピュータのように高速処理して同時並行で作れるようにできてはいない。あまり良いCPUを積んでいない。
140字小説はなかなかコスパが悪くて、推敲にかなりの時間を要するし、疲れる。そこが楽しさでもあるのだけど、Twitterの文字数で作れるからって決して楽なわけじゃない。140字の中で起承転結をまとめ、伏線を張ったり、読者の目を誤魔化す工夫をしなければならない。短いというだけで、立派な小説なのだ。
そんなわけで、ぽつぽつ書いていた140字小説のうち、多少人気のあったものをまとめておこうと思う。『』の中はタイトルです。
たった7人でも集団であれば、残念だけど一人くらい嫌われ者がいる。彼女がそれだった。
— 蟻迷路 (@arimeiro) September 8, 2019
「好かれるよう努力しなきゃ」君は涙ぐみ言う。
彼女は皆の幸福を願って祈りを捧げる。晴れますように。健やかでありますように。でもダメなんだ。どんなに君がいいヤツでも。
君の名前が「月曜日」なかぎり。
『日曜日さんも夕方以降はかなり嫌われてる』
ちなみにこの140字小説を書いた次の日の月曜日、台風のおかげで私は6時間遅刻することになる。
次ッ!
「私みたくタクシー運転してるとね、霊ですか、そういう類が乗って来る話をよく聞きますんで、こんな暗い道走るときは怖いから、
— 蟻迷路 (@arimeiro) September 2, 2019
ゲラゲラ!
とこう突然笑ったりして邪鬼を祓うようにしてるんですよ。
賑やかに喋るのもいいみたいですよ。ええ、だから客もいないのにさっきから独り言してるんです」
『実は聞いてますよ』
次
電車で恋人が隣で寝ている彼氏の横顔を見つめやわらかく笑むさまはいかにも愛しそうで彼女は彼の肩に軽く頭をのせて目を閉じ幸せな光景に浸っていた、のだが、駅に着くと女は何も言わずそそくさと降りていってその動きに目を覚ました男の目はきょとんと、丸。
— 蟻迷路 (@arimeiro) August 24, 2019
「今の、誰?」と小さく呟いた。#呟怖
『反転する光景』
次
事故で記憶を失った。何故事故に遭ったのだろう。その訳を、母を名乗る女は話さなかった。
— 蟻迷路 (@arimeiro) August 22, 2019
少しずつ記憶は回復していった。
僕は最悪の人生を送っていたのだった。記憶を得るにつれ、生きる希望を失っていく。
もう、飛ぼう。
落下しながら、何故事故に遭ったのか思い出した。ああ、これ、2回目だ。
『二度と思い出せなくなるまで』
次
ベランダから夕暮れの街を眺めていると、マンションの下で私を指差した男がいた。
— 蟻迷路 (@arimeiro) August 8, 2019
誰だろう。気味が悪い。男は物々しい顔で私を睨みつけ、エントランスに走った。
来る。直感でそう思った。男はこの部屋に来る。確実に。
私は急いで荷物をまとめ、玄関を飛び出した。あの男はたぶんこの部屋の住人だ。
『泥棒だ!』
蟻迷路のアカウントをはじめた頃は1日3~4編の140字小説を投稿していた。
まずはフォロワーを獲得したいというのもあったけど、単に暇だったのだと思う。考える時間が多かった。
よくやってたよなぁ。
今回まとめた中でいちばん気に入ってるのは最後の『泥棒だ!』です。
泥棒も侵入したときや部屋を荒らしているときはハラハラしてるんだろうなぁ。クズめ。
もっと140字小説書きたいなぁ~~~~~。