蟻は今日も迷路を作って

真面目な話からそうでない話まで。本当の話から嘘の話まで。蟻迷路(ありめいろ)という人が書いてます。

『JIN~仁~』を読んでたら日曜日が終わった

 画アプリで村上もとかさんの『JIN~仁~』を読んでたら日曜日が終わった。

 

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 朝から読みはじめて、ぶっ続けで読み、18時ごろに全話読了した。

 かなりのボリュームだったし、それなりに課金もしたし、最初の方の記憶がすでにあやふやなのだが、後悔はしていない。なんなら、落ち着いたら単行本も買おうかなと思ってる。

 

 『JIN~仁~』は大沢たかお主演のドラマが、私が高校生の頃に放送されていて、友だちがたいそう気に入って医学の道を志すきっかけになった作品だ。

 友だちは現在、大学院に進学して研究医を目指している。

 身近なひとりの人生を変えたんだからそれだけでとてつもなくすごい作品である。

 

 私も大学に入って、ドラマのテーマ曲を演奏した。

youtu.be

  (参考音源)

 

 全話読んでからこの曲を聴くと、この作品にはこの曲しかないと思えるくらいぴったしのメロディだと思える。

 曲の展開の一つ一つに、作中のさまざまな人物たちとのドラマが目に浮かぶようだ。

 

 読みながら何度も涙し、ハラハラし、感動した。

 漫画家先生にこんなことを言うのは失礼かもしれないが、絵が素晴らしく上手い。

 現代の外科医が江戸時代にタイムスリップして制約の中で人々を助け、歴史を変えていくSF作品だが、突拍子のないSF要素をよそに、江戸時代の時代考証といい、医療の考証といい、まったく隙が無い。

 言うなれば、ライトノベル界隈で言う「なろうもの」だ。

 現代の主人公がタイムスリップしたり異世界転生して、チートみたいにその世界を変えていく形態である。

 だけど『JIN~仁~』は「なろうもの」なんて単に言っていいものではなく、徹底的とも言える考証の上に作品が構築されており、私は医療のことなんてよくわからないのだが、よくわからないなりに「これはリアルだ」と思えた。よくわからないからこそ説得力があり、作品に奥行きを持たせているのだろう。

 

 とにかくおもしろかった。

 

   ↓

 

 アプリのコメント欄がにぎやかだった。

 批判や中傷の類はほとんど見られず、感動を伝えたり、登場人物たちへの同情や応援コメントで溢れている。

 話数がすすむにつれ、だんだんコメントが「江戸っ子」ぽくなっていく。

 「べらぼうめ」だの「ちきしょう」だの「めでてぇ!」だの、作中の江戸言葉が読者にもうつっていくようだった。

 かくいう私もなんだか思考の中に江戸っ子が出現するようになった。

 言葉に力がある作品は心を揺さぶるのだ。