蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

鼻呼吸をする生き物

事に体調を崩した。

一昨日くらいから喉に違和感があり、でもまぁほっとけば治るだろうと思っていたら案の定と言うべきか増悪、しだいに鼻水も出てきて、ちょっとこれはヤバいな、と冗談じゃなくなってきた。

熱はなく、熱が無いならまぁいいだろうということでビールを飲んだら(肌荒れするので結婚式の前撮りが終わるまでしばらく控えていた)、めちゃくちゃ悪化して体温が上昇し、そのうえ熱い風呂を浴びたものだから汗だくになったり凍えたり、体調が忙しくなった。北海道で買ったワインをこの勢いで飲んでやろうと思ったが、妻が冗談じゃないと本気で心配をした。

っていうか、10月3日から私は新しい職場で働くというのに、これマジでコロナだったらシャレにならない。

 

結論から申し上げると、コロナではなかった。

検査の結果、陰性。

まずは一安心だったが、のどの痛みが和らいでいくとともに鼻がつまって呼吸が苦しくなってきた。いまこの文章も少ない酸素で脳みそを回しながら書いてる。どおりでいつもよりキレがないわけだ。

私は鼻炎持ちだ。ここ2年半は鼻炎にならずにいたのだけど(マスクをずっとしているせいで風邪から併発するアレルギー性鼻炎にならずにいた)、こうなると、もう、御仕舞だ。

自然治癒は難しいので病院へ行き、しかるべき薬をもらって、おさまるのを数週間か、数か月待つほかない。鼻炎は一度なってしまったら木星の嵐のように長い時間吹きすさぶ。

鼻で呼吸ができなくなると、つくづく普段どれだけ鼻で呼吸をしていたか思い知る。

 

病院の先生はちょっと苦手なタイプの人だ。

私が訪ねるとこちらを見もせず、分厚い辞書をめくっていた。

「はい!じゃあこちらに座ってくださいね!」と看護師さんが言う。医者が何も言わないので極力明るくサポートするのに努めているみたいだった。

医者は「どうしました?」の一言もなく辞書を手繰る。

ぼーっと座っていると、医者が「おい、どうしたんだ?」と言いたげにこちらを見たので、簡単に状況を説明した。

「ふーん……」と医者はようやく音を発し、「頭、うしろ、つけて」と必要最低限の指示を出すと、私の鼻の穴を拡げて様子を診たり、喉を診たり、薬を注入したり、ひとしきりいろいろやってくれた。

「お薬だしときます」

そのあと鼻と喉に霧状の薬を吸引し、終わった。

 

薬を飲みはじめたがいっこうに良くなる気配がない。すぐに治るわけではないので仕方がないけど、つらいものはつらいので、あした点鼻薬でも買おうかと思っている。

点鼻薬は鼻炎を治す薬ではなく、一時的に鼻のとおりを良くするだけの麻酔みたいなものだからあまり使いたくは無いのだが、致し方あるまい。

滋養のあるものを食べて、入社日までにはある程度回復しておきたい。