蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

季節感のアップデート

って過ごしやすいから好きだったんだけど、今日の気温の中にいた感じ、秋はもう終わったらしい。

いつ来たんだ秋。

初夏、と呼ばれる季節や春もなんかなかったように、最近は四季が失われつつある。

すごく寒い冬と酷く暑い夏を繰り返していて、その間に一週間くらい偶然過ごしやすい時期があるか、めちゃくちゃな雨が降りたい放題になる一か月があるか、そんなかんじだ。なにが楽しくてこんなところに住んでいるんだ。

 

二季にしよう。

四季なんて言ってるから、春と秋が無いことにがっかりするんだ。

最初から冬と夏しかないとわかっていればがっかりしないし、むしろ偶然生まれた数少ない過ごしやすい気候の日に尊い感謝の気持ちを持つに違いない。人間てのは悲しい生き物だから、そうでもしないと感謝ができない。

夏と冬しかないと思えば、今日みたいないきなりクソ寒くなっても「おー冬が来たか」と、「風流」に感じられるじゃないか。

秋めいた服装で出たらめちゃくちゃ寒くて天を罵った、なんてこともちょっと捻れば俳句にでもなりそうではないか。

「秋だと思っていたら冬だった」を表す季語ができてもおかしくない。

今後、日本は二季です。

インドとかアフリカや東南アジアの方は雨季と乾季、つまり二季性でやっているからそれにならってカレンダーとか「季節感」などといった曖昧なものを調整していけばいい。

歳時記のページ数もこれでだいぶ省けるじゃないか。

秋物、春物の衣服もなくなり、冬服、夏服、「その他のビミョーな季節」の三つのくくりでよくなるので経済的である。

地球がこうなったらしょうがない。人間もアップデートしていかなくちゃいけない。

 

私が総理大臣になったらすべての辞書から春と秋を消す。

夏、冬、間の季節、とする。

人間の思考を支配し、行動を制御するには、まずは言葉から変えていかねばならないというのは『1984年』で「党」が掲げていた政策のひとつだ。私はこれに倣って、まずは言葉を変えていこうと思う。

そのうち「春」と「秋」に関する言葉や文化も消していく。

人間はアップデートし続けなきゃいけない。

総理大臣になったあかつきには可及的速やかに対応できるよう、検討に検討を重ねるつもりだ。