今日食べたもの。
蔵前のカフェでチーズケーキ。
チーズケーキはそれがどれだけチーズであるかよりも、いかに下の生地がさっくりしているか、が大事だと私は思っている。
ここのチーズケーキは理想的なさっくり感だった。フォークをあてた瞬間にその食感が脳裏ではじける。まだ食べてもいないうちから、美味しいことがわかる。
チーズ部分はまろやかでコクがあり、舌の上でねっとりとトロけた。良いチーズケーキというものは、噛み締めて食べるものではなく、舌と上顎を使って、吸うように咀嚼するものだ。だから良いチーズケーキを食べている人はどこかとぼけたような顔つきになっている。
それを苦味の効いたコーヒーと共にいただく。
コーヒーは甘いものと飲むにかぎる。そうすると、苦いということが、美味いということに変換される。まったく、不思議な飲み物だと思う。
蔵前(くらまえ)という街は、浅草のすぐ隣にある全体的にグレーがかったよくわからない街なのだけれども、ここ5〜6年で急速にオシャレ化がすすんでいる。このようなこじんまりとしつつセンスの良いカフェや、北欧的正義感の漂う家具屋・雑貨屋や、服が陳列されていない服屋などが増えてきている。
通りは碁盤の目のように直角に交わっていて、建物も四角くて、道路が広くて車が多く、私はあまり好きな風景ではないけれど、ちょっと歩いてみると興味深いお店がそこそこにあって面白い。どれもこれも四角い街の景観にすっぽりと収まって、無害な顔をしている。
カフェエの窓際の席に座り、通行人を眺めてみる。
意外にも子どもが多い印象だった。
この街に住む人たちは、どこのスーパーに行っているんだろう。
出かけるたびに、知らない街に行くたびに、そんなことを思うようになった。
お店━━ コフィノワ
コフィノワ (COFFEE NOVA) - 蔵前/カフェ | 食べログ