『僕のヒーローアカデミア』(通称ヒロアカ)を最近(今更)読みはじめて、めちゃくちゃ面白くてびっくりした。そりゃジャンプで人気なわけだ。
キャラがくっきりと自分で動いていて、どの子も愛着が湧いてくる設定とストーリーを持ち、学園モノとスーパーヒーローバトルの調和が丁度良くて退屈せず、飽きさせない工夫が凝らされた、人気作品になるべくして人気作品になっているような漫画だ。そう思わせるすごい作品なのだ。この作者はこの作品が三作品目なのでジャンプで描ける最後のチャンスだったのかもしれない。
『NARUTO』や『BLEACH』といった一時代築いた少年ヒーローマンガの次の世代のヒーローマンガで、なんだか過渡期にある作品だと思えた。
時代が求めるヒーロー像や登場人物たちの関係性をうまいこと組み替えて読者の世相に反映させている。
漫画ブームがきてる。
なんかさいきんの漫画って面白いですよね。
『BEASTARS』もめちゃめちゃに面白くて、これは全世界の人に読んでほしいと思った。
動物がキャラクターの作品はえてして寓話に陥りがちだが、『BEASTARS』はそうではない。
肉食動物と草食動物が暮らす世界特有の「悩み」や「問題」にキャラクターたちが立ち向かい、時には呑まれ、翻弄される。人種差別とか性別差別とか人間たちの抱える問題とは別の次元の問題がある。
ただそういった問題に立ち向かう姿や、思想に翻弄される姿や、マクロな問題がミクロな生活と個人の考え方の相違に繋がっていく状況は、現実と同じで、ひたむきに問題と向き合う主人公の姿には格好良さを覚えて涙腺が壊れる。
あと、作者の手書きの文字が綺麗で好きです。
あと読んだのは『呪術廻戦』とか『Dr.Stone』とか。『呪術~』はあとからだんだん面白くなってくる。『Dr.Stone』は最初の頃がワクワクしておもしろかった。今はドラえもんみたいになりつつある(どちらかというとキテレツか)。『明日、私は誰かのカノジョ』もめちゃんこおもしろい。この作品はもはや文学ですらある。
他にも「ジャンプ+」で連載されてる『ダンダダン』が面白い。
絵と構図が素晴らしいので紙のコミックスで買った。
『チェンソーマン』を電子書籍で買ったのは間違えだったと思ってその反省だった。
ストーリーもさることながら絵で惹きつけられる漫画は絶対に紙で読んだ方が良い。
今の時代、デジタル作画が多くて個性的な線を出せる作家は減りつつある。どこにでもありそうな線を引く作品はどこにでもありそうな作品に見えてしまう。
私は漫画家ではないから偉そうにどうこう言えないが(それでも言うけど)、漫画の命は「線」だと思う。
つまらないカットが続く映画や工夫のない演出が露呈する舞台が、どんなに内容が面白くても「つまらない」と感じる、以前に最後まで観るに堪えられないように、漫画だって線に魅力がなければ面白くない。
小説だとこれは「文体」に置き換えられる。
その作者にしか描けない線。それのある漫画はたいてい面白く、人々の記憶に残っていく。
などと偉そうに言ってる。