蟻は今日も迷路を作って

真面目な話からそうでない話まで。本当の話から嘘の話まで。蟻迷路(ありめいろ)という人が書いてます。

鬼滅はもういいよ

『鬼滅の刃』に関するワードが常にトレンド入りしている気がする。

右を見ても鬼滅、左を見ても鬼滅、前も後ろも右斜め上も鬼滅鬼滅鬼滅……そんなに鬼を滅したいなら勝手にすればいい。

と言いつつ、私も『鬼滅の刃』は大好きで、漫画はもちろん全巻揃えているし、アニメも見た。

このブログでも『鬼滅の刃』という漫画がどのくらい素晴らしいものであるか投稿しようとして、まだ半分も書いてないのに5000字を超えてしまったので発表を自粛したほどである。

 

これほど人気が出るのも頷ける作品だ。

キャラクターに魅力があって、戦闘が格好良くて、敵である鬼たちにも事情があって、どの登場人物にも抱え込んだ闇があり、「刀」で戦うし、女の子は可愛いし、男たちはいくらでもカップリングできそうだし、セリフ回しがつい口ずさみたくなるような語感の良さと言葉の力強さみたいなものを持っていて、戦闘ももちろん格好良いけどその戦いのスタイルや人物描写はもはや文学的なレベルに達しており、笑いあり、お涙頂戴もあり、日本人が大好きな「歌舞伎型」の漫画である。

金髪のキャラ「善逸」をもっと活躍させてあげれば欧米人気ももっと高かったろうに。せっかく日本刀で戦うのだから勿体ない。と商業的なことを考えてみる。でも日本でこれだけ売れたんだからもういいだろう。

 

そう、もう、充分じゃないか。

 

作品としては大好きだし、多くの人に勧めたいのだけど、なんか売り方が嫌だ。

具体的に言うと、フジテレビの売り方が嫌だ。

鬼滅がドル箱とわかるや否や「鬼滅はフジのもんなんですよ!フジ!うちです!うちですよ~!どわっはっはっは!!どうしたって!消せない夢も!止まれない今も!」とか言って歌い出す。

もういいよ。わかったよ。鬼滅はフジのもんだよ……

 

めざましテレビ」で毎朝鬼滅関連の情報を発信しており、Lisaの歌がぐるぐるループするので多少洗脳感があり、ただでさえ不機嫌な平日の朝にこの仕打ちは、正直うんざりする。

鬼滅は作者の手も離れて遠くへ行ってしまった。

商業の波に乗って取り返しのつかないところまで流れてしまった。

それが悪いことではないし、経済動物的に自然な成り行きだとはおもうけど、あまりにも宣伝されて利用されていくところを見ていると、次第に熱が冷めていく。波が引いていく。

いつも私はそうで、経済動物は自然だけど好きではないのだ。浅ましさというか、不潔な感じを抱く。でもお金は大事だし、お金があるからまた作品は広がっていけるんだよね……と矛盾した二つの正しさに圧し潰されそうになって嫌になる。

なんか「100日後に死ぬワニ」が死の直後に商業的プロモーションで大炎上したのと同じかんじを独りで感じている。

もっと静かに大ブームであって欲しかった。

要するに、もうそんなに欲しがらなくてもいいじゃない……と、そのがめつさに引いてしまうのかもしれない。

 

鬼滅を読んでない・見てもいない人からすれば、昨今の病熱的なブームにはうんざりすることだろう。内輪ネタに入れないで皆が自分の知らないことで笑っているのを面白くないとおもうことと同じように。

 

わかった。もう、鬼滅はわかったから。そろそろ落ち着いて楽しもうよ。本当の鬼は「システム」なんだ。

 

あと、主題歌はアニメが神だったから付随して売れただけですよね?って言うと多分異端審問にかけられて水に沈められるんだろうな。水に浮かんできたら鬼だと言われてやっぱり処刑されるんだ。もう水の呼吸をするしかないな。おれの首を「伍ノ型 干天(かんてん)の慈雨(じう)」で刎ね飛ばしてくれ。