蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

インベーダーゲーム/プリンアラモード/意外な才能

フェに寄ってみたら、テーブルがゲーム台だった。

プリンアラモードを注文し、懐かしのインベーダーゲームで遊んだ。

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懐かしの、と書いたけど私はカフェのテーブルがインベーダーゲームだった時代を生きていないので懐かしいというよりむしろ新鮮だった。だってテーブルの面がゲーム画面なんですよ。下にブラウン管が入っていて、ちょうど膝の辺りにコントローラーが並んでる。邪魔じゃないか。

100円で1ゲーム遊べて、彼女と対戦した。

コントローラーに年季が入っており、レバーにかなりアソビがあって正確に動かせない。

それでも1戦目は私が勝利を収めた。特に説明せずともルールを理解した彼女は「もう1戦やろう」と言い、今度は私を圧倒した。天才、というやつを見た気がした。

 

インベーダーゲームは友だちの家のスーパーファミコンで何度も遊んだことがある。シンプルゆえに優れたゲームだ。

ゲームの黎明期はカフェのゲームテーブルで100円玉を積んでこぞって並んでこれをやっていたらしい。私の母もその一人で、何時間も遊んでいたという話を聞いた。母はゲームにハマると狂人的にハマるので、それで時間と金を空虚に浪費したらしい。

シンプルなゲームはシンプルだからこそ飽きがこないものだ。私も一時期マインスイーパーにハマっていて、パソコンで一日数時間遊んでいたことがあるので、母の血を受け継いでる。

ブロック崩しとか、ソリティアとか、単純ゆえの魅力がある。

 

記念物的なテーブルでインベーダーを遊び、無形文化財的なプリンアラモードを食べた。

スプーンをさすと密度を指先に感じるかたさ。プリンはかたいものが好みなのでまずこの段階で嬉しい。小さな匙の先でぷるん、と揺れるその重さが幸福だ。

カラメルの苦味がプリンのほのかな甘みを際立たせる。甘いホイップクリームと缶詰のフルーツがプリンを邪魔せずに色めき立たせる。

プリンアラモードより美味しいものなんていくらでもある世の中だけど、プリンアラモードの美味しさと嬉しさはプリンアラモードしか持ちえない。

 

食べ終わったあとにもう3戦遊んだ。すべて負けた。