蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

成長を感じる

人の仕事をみている。

その仕事内容は以前にも私が担当したことがあり、それなりの成果をあげることができたので、私は上司と共に新人の面倒をみて、随所でダメ出しをしたり、改善案を出したり、褒めたり貶したりしている(貶すことはない)。

新人の作った資料を見ると、まるでなっていなくて(新人だから当然だ)、いろいろ口出ししたくなるが、私の意見で構築された完全なレールを引いてやると新人の思考力を奪いかねずそれでは新人のためにならないので、あくまでも補助輪程度のアドバイスに努めている。それがもどかしくもあり、成長していく新人を実感できる面白みでもあるが。

教育は自分の仕事のフィードバックにもなる。人のフリ見て我がフリ直せ。だ。

自分の仕事を省みる機会にもなり、つくづく教育というのは自分の成長の機会でもあるのだなと実感する。なんとなくやっていた作業や、作成資料の句読点一つに至るまで「意図」の言語化を要する。

教育するからには教えねばならず、教えるにはテレパシーで伝えるわけにはいかず、人間である以上は言葉で伝えなければならない。言語は不完全な媒介だから、正しい言葉で、的確に示さないと相手に伝わらない(的確な言葉を使ったとしても100%伝わることはない)。

だから自分の思考を整理しなきゃいけなくて、その過程が自分の仕事ぶりのフィードバックになっていて、反省したり、自分を認めたり、とにかく鏡を見ているような、自己総括の機会になる。

教育に時間を割くのは惜しくもあるけれど、貴重な機会だ。入社して1年が経つので、いい機会になっている。

 

新人へのフィードバックの際、自分なりに資料をまとめて、新人へ戻している。

上司も私を信用してくれて、私の作った資料をもとにフィードバックの機会を設けてくれるのでありがたい。

私の着眼点や指摘する点が、上司と大体同じであることに安心感を覚える。

「だいたい言いたいことは同じだなぁ」なんて上司が言うと、私は嬉しい。

自分の考え方は間違っていないし、それなりに力がついてきたのだな、と自分の成長を実感できるのだ。

まだいまの仕事を始めて1年余りだけど、確実にプロへの道を歩んでいることがわかる。

 

新人はこれから正念場で、なかなか大変な局面を迎える。締切内で確かな成果物を必要とするこの仕事では、時には新人の意向に沿ってばかりではうまくいかない場面もあるだろうが、極力、新人のやる気を削がない助言を心掛けたい。

この仕事は面倒ですが難しいことばかりだけど、基本的に楽しい。

新人にとってもそうであると嬉しいし、そう思えるような指導を心に留めておきたい。