お昼に激辛のグリーンカレーをタイ料理屋で食べた。
初めて行くタイ料理屋だったのでとりあえず一番辛いものを食べてみようと思ってのことだった。
結果、当たりの店だった。ココナツミルクと鶏肉のコクがしっかり溶けこんだスープに、青唐辛子の痺れるような辛さがとてもよく効いていて、本格派であった。タイ米も程よい炊き具合。スープとよく絡み、口の中でぱらりとほどける。辛くてビリビリするのに、スプーンが止まらない。これは夏に食べてもスリリングで涼しげなカレーになるだろう。旨かった。
それにしても辛かった。
食後はずっと口周りがヒリヒリしていた。
口直しというか、こうなると甘いものが食べたくなる。
タイ料理屋から程よく歩いたところにクレープ屋があったので、そこでホイップクリームとチョコバナナのクレープを食べた。
ところで私は無類のクレープ好きとして、知られていない。
自分でもびっくりしたのだが、私はどうやらクレープが大好きらしい。
実はこのクレープ屋には前々から来たいと思っていたのだと妻に告げ、食べてる最中も私はずっとニコニコしていたらしい。
28歳、冬。
クレープを店頭で食べてご満悦。
生地が好きなんすよね。パリパリもちもちしてて、素朴で。素朴なものが好き。
あとさ、クレープの、一番最後のお尻の尖ったところ。あそこ大好き。生地をぐっちり食べられるし、チョコソースとか甘いものがブヨヨと詰まっていて、あそこがクレープの腸(わた)だと思う。クレープのレバー。最も美味なるところ。
ホイップクリームをまとったバナナはずしりと重く、私は大満足だった。
帰宅後、昼寝をしていたところ、激烈な腹痛に襲われた。
トイレから離れられなくなり、20分ほど格闘。ベッドに横になり、しばらくしたらまたトイレに、というサイクルが結局5時間くらい続いた。
今はお腹に懐炉を貼り、邪悪を出し切ったことで幾分落ちついている。
食い合わせが悪かったのだろうか?激辛のあとに糖質爆弾みたいなクレープを食べて…。
たしかに、クレープを食べていたときから、お腹に不穏な気配がなくもなかった。でもそれは微々たる異変で、問題とすべき様子ではなかったのだ。ひと昔前の地球温暖化問題みたいな扱いだった。だれも気にしていなかった。
もう私の腸(はらわた)は、10代の頃のように、いくらでもクリームを摂取できるようにはできていないのだろう。
それもそうだ。10代なんていつの話だ。
いつまでもteenageを引きずるなんて、まるで若者から嫌われているおじさんではないか。
またお腹が痛くなってきた。
いま、平気だろうと思ってスーパーカップのバニラ味をちょっと食べたせいかもしれない。
どうしても食べたかったのだ。