サンリオピューロランドに年一回くらい行く。
「そろそろ行くか」
「行くべき時が来た」
恋人とそう話す日が年に一回、季節を選ばずあって、そう話した翌週に多摩センター駅からピューロランドに行くことになる。
渡り鳥が湖から湖へ渡るのと同じように、私たちはなんらかのバイオリズムに従って、年に一度、ピューロランドに行く。
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今日が、2019年の、ピューロランド日和だった。
素晴らしい秋晴れだけど、ピューロは屋内施設だから関係ない。
クリスマスのイベントが始まったとあって、なかなかの混雑具合であった。
サンリオピューロランドに来るのはこれで4回目だ。付き合い始めて4年目の数字と重なる。
過去4回、必ずやってきたルーティーンがある。
ひとつが、キキララ・トゥインクリングツアー(キキララの暮らす世界を体感できる最上の空間)、もうひとつがピューロランドオリジナルのキャラクターカレーを食べることだ。
このカレーを食べないと、ピューロランドは始まらない。
今回食べたのは「こぎみゅん」のカレー。
写真ではわかりにくいけど、ルーはオレンジに近い桃色をしていた。
あまり綺麗な画像ではなく申し訳ないけど、こうしておかしな色のカレーを食べていると、だんだん自分が何を食べているのがわからなくなってきて、不思議な気分になる。
ピューロランドのカレーは、この不思議な気分になるために存在している。カレー味の粘土ってこんな感じなのかな、と思える。
味は意外と普通で、お子様向けなのでそこまで辛くない。でもしっかりスパイシーさがあって侮れない。決して極美味なわけではなく、また私も美味を求めているわけではないので、なんの文句もないし、推しのカレーを食べれる幸せを味わうものであるから勘違いしてはならないが、だからと言って不味いわけではない。要するに普通だ。
ただ、色のせいで、なにを食べているのかわからなくなる。色覚がバカになったのかと思う。
今回食べた「こぎみゅん」のカレーはまだ色合いがカレーに近いから良いものの、ルーが青いものもあるので、それなんかは食べていてもはや「食べている」ことすら認識できなくなる。
食べていて、「何?」としか考えられず、「????????」と食べ終わるまで思い続け、食べ終えると食べた感は無いのにもかかわらず、青くなった唇と皿と奇妙な満腹感があって、ちょっとしたミステリーな気分になる。
見た目でわかるように、カレーには見えない。でも味はそれなりにしっかりしたカレーなのだ。混乱する。マヌーサにかかったみたいな食事をすることになる。
私は、この不思議な体験をするために年に一回、ピューロランドに行くのだ。
あとはキャラクターとグリーティングしてキャーキャー騒いだり、パレードで手を振ったり、グッズを買うために行く。
別荘にしたいな、と行くたびに思う。