昨日はブログをお休みした。
どうして休んだのか。サボってはいかんじゃないか。私の身に何かあったのだろうか?毎日更新していたのに休むなんて、まさか命を……と心配された方もいるだろう。
誰も心配してない?
いや、心配された方はいます、実際。同じ人間なら心配してくれたはずです。私は“人間”を信じています。
記事を書かなかったんじゃない。
公開しなかったわけでもないんだ。
普段ブログを書くときはブラウザの編集画面に直截書いている。
朝に公開する記事を前日の夜に書き、8時に予約投稿できるようにセットしている。
つまり、昨日のブログも、日曜の夜にブラウザで書いていた。
くどくど考えていることを1500字あまり書いた。
根深く考えていることだったので、文章を練りながら一時間くらいかけて書いた。一時間もかかってしまったのは、あるいはテレビを見ながら書いていたせいかもしれないし、食器を洗っていたせいかもしれないという説もある。
ともかく、いつもより少し時間をかけて、丹念な文章を、蚕が繭を紡ぐように書いたのであった。できあがったものは、シルクのように繊細で美麗な文章であった。
それで、やれやれ、これは物議を醸す記事になってしまうかもしれないな、と書き終えて保存をしてブラウザが更新されたとき、事件は起こった。
ブラウザ画面に「ネットワークが接続されていません」と表示された。
「接続されていません」ってなんだよ。接続してたっつーの。ブラウザに現在完了的な文脈が表示されている。接続されていません。してたっつーの。たわけが。
新居の無線Wi-Fiはやや断続的なところがあり、接続されていればストレスなくインターネットを閲覧できるのだが、難がある。
危ないなぁ~と思っていたことが、この保存の場面で起こったのだ。
だけど私は焦らなかった。
きっと、途中で保存されているはずだ。まぁ、全文は無理だろうけど、半分くらいは保存されているだろう。書いたことは覚えているから、立て直せないこともない。
ルーターを再起動して、しばらくするとネットワークが接続された。
F5キーで画面を更新し、下書き保存のページをひらいた。
たのむぞ。信じてるぞ。
記事は、一文字も保存されていなかった。
一文字も、だ。
私は、涙がこぼれそうになるのをこらえ、ちょっと部屋をウロウロし、もう一度画面を更新してみてやはり一文字も保存されていないことを確認すると、はは、と嗤って、ベッドに横になり、放屁して、「くだらん」と呟いた。
私の人生のうちの一時間は、まったく無駄になった。
一時間あれば楽器を練習できたし、洗濯ものを畳んでしまうこともできたし、シンクの掃除ができたし、ローザルクセンブルクを読むことができたし、紅茶を淹れて同居人と愛を語らうこともできたし、ベートーベンの交響曲第一番を鑑賞することもできたし、ブログを書くこともできただろう。
完全に失意の底に沈んだ私は、その日はもう書くことを止め、ブログを休むことを決めたのだった。
記事を書かなかったわけでも、公開しなかったわけでもない。
結果的になにも公開されなかっただけだ。
でもブログを書いていてよかったなぁ~というのは、今日のブログのネタがこうしてできたことだ。あ~よかった。わいわい。