めざましテレビでやっている「きょうのわんこ」だけがこの世の救いなのです。
「きょうのわんこ」しか勝たん。
毎朝めざましテレビを見ていると、嫌でも耳につくのが髭男dismの「Hello」だ。
天気予報の時間になるとこのテーマソングが必ずかかる。
何を考えているのかわからないが、「Hello」をかけて今日も一日がんばりましょう的な魂胆があるのだろう、「気温は35度」なんて地獄みたいなことを言いながら背後で「Hello」と歌っている。
この曲はぜんぜん悪い曲じゃない。
むしろ良い曲だ。好きだ。
どこがいいかというと、ベースの動きがいい。
終盤で半音ずつ下がっていくところが格好良い。
「Hello」と明るく歌っているのに、曲調がすこし下がり気味というか、決して明るくないところは、「Pretender」が別れの曲なのに明るい曲調であることと対照的になっている。「グッバイ」に対して「Hello」だし。
明るい曲調ではないけどマーチングのような力強さがあって、朝の気怠さを認めつつも励ましてくれるような、そんな堅実さのようなものを感じさせる、優秀な曲だ。
良い曲なのだが。
だんだん嫌いになってきた。
なぜなら、朝に聴く曲だからだ。
昨晩FNS歌謡祭を見ていたら髭男が登場し(ところで髭男と書くと変なおじさんみたいだ。発音は「ヒゲダン」なのに)た際に「Hello」を熱唱していたけど、私は朝、つまり「仕事に行く前」をその曲のせいで思い出してしまい、頭を抱えて平伏し、身を縮めて首元を隠し、つい本能的に「熊から身を守る姿勢」をとってしまった。
「Helloが流れると仕事に向かわなければならない」という条件付けができてしまい、最悪のパブロフの犬になってしまった。
朝の情報番組のテーマソングは、そういった意味では損な役回りの曲だ。
ものすごい宣伝効果はあるだろうけど、どんなにいい曲でも「仕事」や「学校」と条件づけられ、そのうち曲自体よりも、「曲が流れている状況」のほうに反応してしまい、嘔吐、頭痛、蕁麻疹などのアレルギー反応を起こしたり、アナフィラキシー・ショックに至ることもある。そういうひとはちょっと病気なので学校や仕事を休んだ方がいいだろう。
しかも、そのテーマソングは局の朝の顔になるので、やたらといろんな番組でかかる。
どんなにいい曲でも、朝のテーマソングになることは避けた方がいいだろう。
朝のテーマソングは、日替わりにするとか、オルゴールにするとか、あるいは川のせせらぎでいい。
極力パブロフの犬化を避けてほしいところだ。
「きょうのわんこ」なだけに。