蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

小説家になるにはどうすればよいのか

年、と言ってもここ3年くらいのことなのだが、小説家になりたいなぁ、と漠然とおもっている。

とくに就職して日々を噛み潰して暮らすようになってから、時々耐え難い気持ちになって、ぜったいに小説家になってやる、と強く決心する日がある。

小説家になって、古民家風の瀟洒な家に住み、犬と猫を飼って、居間には現代アートを飾り、イタリア車に乗って、恋人と暮らすのだ。

手触りの良い和食器に、土鍋に、木の箸や匙をつかうのだ。

 

そのようなことを夢見て早3年。しかしながらいっこうに小説家になれる気配がない。

なぜ小説家になれないのだろうか?

反省を促し、総括的に考えてみた。

 

 

もちろん理由はひとつではないし、さまざまな原因が積み重なって現在があるのだが、いちばんの原因は小説を書いていないから、ということに尽きる。

楽器を鳴らさなければ音楽にならないように、絵筆をとらなければカンヴァスが染まらないように、小説は書かなければ小説にならない。

そんな簡単なことにようやく気付けた。

なんとなく、書かなくても小説ってできるよな、という甘い思考があって、つねに自分を甘やかそうとするものだから、書かなくても小説くらいできるだろうと高をくくっていたのだが、待てど暮らせど小説は完成しない。

そろそろできたかな、とフォルダを開くと、タイトルだけ書かれた.docxファイルが大量にあるばかりでその実本文は一文字も書かれていない。

干物はいいよな、とおもう。

置いておけば干物として完成していくのだから。

小説は干物とはちがって、置いておいても完成しないらしい。

 

 

社会人になった去年から書く量がめっきり減ってしまった。

ブログで千文字埋めるのがやっとで、あとは疲れて寝てしまう。

書こう書こうとおもっても、夜は時間もないし、いろいろと動いているとあっという間に夜更けになって、寝ないと翌日の業務に支障をきたすので寝てしまう。

本来、ここで頑張らなければいけないのだろう。

そこで、とてもしらふの気分では書けないので酒の力を借りることにする。

と言ってしかし、それで書けたらいいのだけど、最悪の場合、ブログすら書けなくなることもある。

よく考えれば当たり前で、酒を飲んで文章が書けるとおもったら大間違い、酒を飲んで足元がふらつき人類が得意とする直立二足歩行すらままならなくなるのだから、歩行よりも難しい「作文」がうまくいくわけもないのだ。

 

そういうわけで、なかなか書けないでいる。

 

 

いっそブログをやめて、ブログを書く分小説を書けばいいのだけど、ブログは楽しいしこうして気楽に書くことは自分の時間を保つことができてリラックスに繋がっているので、できれば毎日書き続けたいとおもう。

だけど、無理にでも毎日書くのはちがうよな、と最近おもいはじめた。

そういうときこそ小説を書く時間にあてよう。

近頃、朝の40分くらいしか小説を書く時間があてられないのだけど、とりあえず時間を作ることができ、それだけでも心が落ち着く。

 

 

とりあえず書こうとおもう。とにもかくにも。ゆっくりでも。