私は何が好きって、建国記念日が好きですね。
建国記念日がいちばん興奮します。
建国、建国って、なにがどう建国なのか正確なことはよくわからないのだけど、建国、建国と口にしているとだんだん自分が素晴らしい偉業を成し遂げた偉い人物になったかのような自信が湧いてきて、胸を張って大通りを闊歩したくなる。大股で明治通りを跋扈(ばっこ)したくなる。
建国、建国。ヤマトタケルとかスサノオ、という言葉が浮かんでくる。古事記だか日本書紀に出てくる日本の神様だ。詳細不明だが、きっと彼らが大日本を「建国」したのだろう。「建国」という言葉には威厳の響きがある。
でも建国記念日のなにがいいって、やっぱり、木曜日にある、ということだ。
毎年木曜日にあったのかそこはよくわからないのだけど、とにかく今年は木曜日である。
ということは木曜日が祝日休暇となり、お仕事をお休みできるのだ。
Congratulation .
「そうそう、これでいいんだよな。やっと人間らしい呼吸ができる」
平日はなんだかつねに息がつまっているような感じがして、空気を肺に入れても全身に酸素が巡らず、慣れないエラ呼吸をしているようで息苦しくなる。
それが5日間も続くと木曜の午後には肌が紫色になり、眼球は黄色く濁って白濁した髪の毛がはらはらと舞い散る有様なのだが、今週は木曜日がお休みですよ。
肺に入れ込んだ空気が全身に巡る感覚。
息継ぎ。
平日休みは、息継ぎです。
正しい呼吸法で豊富な酸素を取り込んだことで、慢性的な肩こりは解消し、視力もすこし上がった。肌は健康的な色を保ち、眼球は白く澄んで髪の毛は怒髪天で天井を貫いている。本当です。
金曜や月曜がお休みだと三連休になって嬉しいけど、四日間は働かなければならない。
それだと呼吸の性質上、最終労働日は肌が紫色になってしまうのだが、火曜や木曜、水曜など半ばに休みがあるとうまく息継ぎができて快活に一週間を送ることができるのだ。
人は息継ぎなしで泳ぐことができない。正しく水面から顔を上げることでより長く、素晴らしいタイムで泳ぎ切ることができるのだ。
毎週、木曜日や火曜日はお休みにしたらどうでしょうか?
その方が、効率で経済だと思います。
建国なんて、国にとって、いちばん大事なイベントじゃないですか。
「存在」がはじまるということじゃないですか。
みんなが建国に思いを馳せて愛国心を養い、建設的な気分になって文字通り八重垣を囲んで和歌を詠んだりする。平和で豊かでいい暮らしになると思うな。
おれは、おれはね、毎週建国のことを思うよ。そうする。セルフでも、記念日にする。祝日にする。
祝おうじゃないか。建国を。享受しようじゃないか。健康を。慶ぼうじゃないか。平穏を。
そうしよう。そうする。