蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

嫌な思い出を忘れる方法

今週のお題「忘れたいこと」

 

れたいことほど忘れないように人間、というかすべての生き物はできている。

一度の失敗を深く記憶に刻み込むことで次から行動を修正する性質は、たとえば命を脅かす存在を遠ざけたり、食べ物を効率よく入手する手段に活かされ、「失敗」を生命がより繁栄するための礎にするのだ。

人間は文字(メディア)を発達させて自分以外の人のエピソードや歴史を学ぶことで集団として成長し、ここまで繁栄し、地球を破壊することに成功している。「愚かな歴史は繰り返される」という学びを得て、また愚かな歴史を繰り返すことに一人一人が寄与している。

 

「そうか、あの失敗も未来への礎になるんだな」と思えば浮かばれるような気もしないではないがそれはそれとして、過去の失敗や恥を何度も頭の中で繰り返して穴の中に入り込み、世間を拒絶したくなるような夜を何度繰り返せばいいのだろう。

もういいじゃないか。

「生き方」そのものを変えない限り、根本的な失敗や恥は続き、おそらく一生、穴を探す人生になる。

この冬の間だけ、なんて短期的なものではない。一生、だ。

このブログだって恥を書いているようなもので、ちゃんと管理しておかないといつか黒い波になって私を呑み込んでクジラの排せつ物にするだろう。口悪く言えば、デカい糞、である。ひとつ救いがあるとすれば、糞は流せる、という点だけだ。

 

先述のとおり、嫌な思い出ほど忘れないようにできている。だから現実をなかったことにするレベルで忘れることはできない。

だが、いくつかの対処法を知ることで穴掘りのダメージは抑えられる。

 

●「忘れたいことほど忘れられない」自分を愛しく思う

→これはチャットモンチーが歌っていた歌詞だ。人間は忘れたいことほど忘れられなくて愛おしいのだ、と。

 嫌な思い出に呑まれたあとでこの言葉を思い出すと、傷口に絆創膏を貼られたみたいに、すぐには癒されないけれど保護されている感じはして、心を落ち着ける。

youtu.be

 

●「今のすべては過去のすべて」

→これは『かぐや姫の物語』の主題歌「いのちの記憶」で二階堂和美さんが歌っていた歌詞だ。

 あの失敗とか経験があったから現在がある。現在を愛おしく思えるならこの言葉はとても強く私を支えてくれるけど、下降気味の時には思い出しても何の効果ももたらさないどころか、悪い方向へ導くので注意。

youtu.be

 

●過去と現在を切り離す

→上に書いたことと矛盾するけど、これは結構効果的だ。

 人間の細胞は常に新陳代謝をして入れ替わり続け、数年前の自分にあった細胞は現在一つとして残っていない。自分という一個の存在ですら常に変化し続け、過去の自分とは同一ではないのだ。

 つまり、極論、過去の自分は現在の自分とは違う、他人なのである。

 他人の失敗なら別になんとも思わないですよね。むしろ笑えてくる。馬鹿だなぁって。笑えてくる……。

 

●他人の失敗談を探す

→インターネットは便利なもんで、「失敗談」で検索するといくらでも他人の失敗が出てくる。それを読んで「自分なんて可愛いもんだな」と最低だけど心を落ち着けよう。

 極めつけは「ベルリンの壁」を誤って解放してしまった東ドイツ政務長官のエピソードだ。こんなやらかしをしても生きていける。

omocoro.jp

 

●死ぬ

→死ぬ