蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

140字小説書きました

々に140字小説を書いた。

知らない人は知らないだろうけど、じつは管理人、1年くらい前までTwitterで140字小説というものをやっていた(2年前かもしれない)。140字制限で小説を書くというもの。

 

もうやめちゃったんだけど、最近頭の体操がわりに書いたりしていた。以下に掲載するのは、そんな思考の塵みたいな作品の供養です。5篇だけですが。

ゆっくり読んでください。

 

※『』内はタイトル

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

彼女の写真に白い人影が映り込んでいた。心霊写真?まさか。ところが彼女の映るほかの写真にも白い影が。取り憑かれてる?

そうだカメラの故障に決まってる。試しにレンズを自分に向けてシャッターを切る。故障ならこの写真にも映るはず。
思ったとおり、影はくっきり映っていた。
僕を睨みつけて。

 

 

────『お前に』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ときどきね、君からなんか懐かしいような、いい匂いがするんだ。なんだろう」

言えない。

「香水かな。バニラみたいな甘い香りなんだよね」

言えない。

「死んだ母さんもたまに同じ匂いがしたんだ。教えてくれなくてね。なんだったんだろ」

尚更言えない。

隠れて吸ってる煙草のニオイだなんて。

 

 

────『バニラ6mg』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

幼い頃、神社で7人でかくれんぼをしたら1人見つからなくなっちゃって、神主さんも巻き込んで夜まで捜索したなんて事件があった。神隠しだって。結局、何度も探したはずの祠の裏から見つかって事なきを得たんだけど、本当に怖かったのは最後に神主さんが言ったことだった。
「よし、これで8人いるな」

 

 

────『みつかっちゃった』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

キスはレモン味なんてのは幻想で、実際にはサクランボの香りがしたと友だちに言うと「おれもそうだった!」と。すると他の奴も「やっぱり?」「わかる」等々。キスはサクランボのフレーバーだとピュアに盛り上がったけど、あとで恐ろしい可能性に僕は気付いた。
もしかして四股されてるんじゃないか?

 

 

────『僕たちの初恋』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「にらめっこしよ」恋人が言う。「勝ったらなんかちょーだい」
「いいよ。僕が勝ったら、結婚してくれ」
「え」
「本気。にーらめっこしーましょ」
「ちょっ待っ」
「あっぷっぷ」
「え、え」
顔を赤くした恋人に僕は笑った。
負けたので、渡しあぐねていた指輪をあげた。恋人は涙を浮かべて笑った。

 

 

────『敗者なし』

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

以上5篇でした。

自分だったら最後みたいなプロポーズは嫌だな。

 

あと、140字小説はTwitterでやらないと意味が無いな。