蟻は今日も迷路を作って

くだくだ考えては出口のない迷路に陥っている

おれもコンピューターおばあちゃんになりてェ

ンピューターおばあちゃん、という曲をご存知だろうか?「みんなのうた」になったり、Perfumeにカバーされていたりもするので知っている人も多いだろう。

私はこの曲が好きだ。

最初タイトルを見ただけでは「コンピューターおばあちゃん」なんて訳のわからない南蛮物の渡来品をどう理解すればいいのかわからないのが普通だ。まぁまず間違いなくこの世のものではなさそうな雰囲気すら帯びている。

しかし「ぼく」の視点で語られるコンピューターおばあちゃんは実際の人間のおばあちゃんの愛らしさと遜色がなく、そして、南蛮渡来のわけのわからないおばあちゃんではなくて「ロボットとか関係なくぼくのおばあちゃんなんだ」ってノリで紹介しているところがなんだかじつに、いじらしい。

ぼくのおばあちゃんは明治生まれのコンピューター」

そうはじまるところからなんだかスチームパンクなおばあちゃんなのかと予想する。

「算数国語社会 なんでもドンと来いさ」

続くこのフレーズがじつに、じつに良い。

冒頭から「コンピューターおばあちゃん」と聞かされて頭がハテナになっていて、しかも「明治生まれ」の超技術にさらなるナゾを抱いていたら、「算数国語社会」である。

ここによって、コンピューターおばあちゃんがひどく身近な存在に思えてくる。きっと「ぼく」の宿題を手伝ってあげてるんだろうなとか、知恵がたくさんあるんだろうなとか、想像できるレールが敷かれてコンピューターおばあちゃんの解像度が上がるだけでなく、「ぼく」もおばあちゃんを頼りにしていて誇りに思っていることが伝わってくるのだ。二人の映像がここだけで浮かんでくる。

正直、ここで一回泣きそうになる。

いいおばあちゃん。いいお孫さん。きっと二人は仲が良いんだろうな。ぼく、おばあちゃんを大切にしなよ。

その後に続くBメロではおばあちゃんの活躍を窺い知れる。足腰元気で、入れ歯がカクカクで、英語が喋れて。コミカルで、きっとみんなの人気者なのだろう。

サビでの「ぼくは大好きさ」のフレーズもシンプルながら良い。

コンピューターおばあちゃん  コンピューターおばあちゃん」と繰り返し呼びかけることでその愛着を感じられ、「ぼくは大好きさ」でトドメを刺される。

この頃には、私もコンピューターおばあちゃんを好きになっている。

2番終わりのセリフも良い。

「ずっといつまでも長生きしてください。夢の宇宙旅行、きっとできる日が来る」

きっと宇宙のこともおばあちゃんが教えてくれたんだろうな〜。

おばあちゃんにとっての夢って、孫が宇宙に行くことなのかもしれない。でも「ぼく」はおばあちゃんと行きたいんだよね。

コンピューターおばあちゃんはこの歌が流れ続ける限り、生き続けるよ。

おれが宇宙に行ったらこの曲を流そうじゃないか。

 

コンピューターおばあちゃん、めちゃめちゃ良い曲で、元気な曲なのにしんみりと泣けてくる。今朝聴いて、ちょっと泣いた?

私にはおばあちゃんがいたことがないので、ちょっと憧れもする。

自分がコンピューターおばあちゃんになって、孫に好かれたい。