ここ3か月くらい、私たち夫婦で夢中になっているアイドル。
Juice=Juice。そして、宮本佳林さん。
宮本佳林(みやもと・かりん)さんは2020年にハロプロのグループJuice=Juiceを卒業し、2021年からはソロでアイドル活動をしている。
昨日(2023年10月7日)、初めて、宮本佳林さんのソロライブに行ってきた。その感想と、感情をここに残しておきたいと思う。
(このブログでは宮本佳林さんの動画を、魅力の布教を兼ねて文章の間に挟んでいきます。文章を読まなくてもいいので、動画だけでも見て帰ってください。)
はまってからの3か月間、このうだるように暑かった夏のあいだ、私たち夫婦は宮本佳林さん関連の動画を貪るように見、過去のブログを読み漁り、かつて所属していたJuice=JuiceのライブDVDを買って毎週末、落涙しながら見ていた。Juice=Juiceを好きになったのは、だからそれがきっかけだ。佳林さんにはまったから、Juice=Juiceが好きになった。ありがとう、ありがとう、ありがとう。
彼女の魅力を語るには、まず私の筆力が足りないし、主観的で独善的な観点から「こうだ」と述べるのは烏滸がましいにもほどがあるのでしないが、とにかくすべてにおいて最高、というのが最大の魅力だ。バカみたいな論理で申し訳ないが、事実、そうなのだ。
最大の魅力、というとどれか一点を挙げるのが普通かもしれないけど、宮本佳林さんの場合は「すべてにおいて最強」という宇宙を統べかねない論理の捻じ曲げが通用する。そんな魅力がある。
いまや彼女を推すことは私たち夫婦にとって、糧。
彼女と、Juice=Juiceのなかったこれまでの人生、自分がどうやって生きてきたのかわからない。
それくらい好きだ。
(鈴木愛理さんも大好きだからこの動画ほんと最高。)
この秋から始まったライブツアー「宮本佳林 LIVE 2023秋~Hello! Brand new me~」は発表当初から行くと決め、チケットを入手するまえから予定に組み込み、これまで以上にJuice=Juiceの曲や佳林さんのソロ曲を聴き込んだ。
発売されている音源を聴き込むごとに、より深く、佳林さんの歌声の魅力に引き摺り込まれていく。ライブDVDや映像を見るたびに、パフォーマンスの虜になっていく。
深くしれば知るほど、ライブが楽しみになっていった。
と同時に、初めての参戦とあって不安も募っていった。
コールとかぜんぜんわからないけどどうしたらいいのか、
はたしてちゃんと肉眼で見えるのか、
グッズはなにを買えばいいのか、
ファンの態度が世紀末だったらどうしよう、
そして、もしも、もしも、万が一、億が一、
私たちの期待が大きすぎたら……
阿僧祇が一にも「がっかり」するようなことがあったら……。
──そんなことはありえない、まったくもってお門違いも甚だしい不安である。
どっぷり浸かったファンであり、自分たちの信じる「推し」なら、それはもう論理も理屈も一切もって必要なく、ただ一心にまっすぐな「好き」の気持ちで信じるしかない。
私たちが不安を抱いたのは宮本佳林さんその人にではなく、自分たち自身に、なのだ。
弱すぎる。こんなの、本当のファンとは言えない。
私の至らぬ心配は、まったくもって杞憂だった。
今思えばまったく馬鹿馬鹿しい不安だったとしか言いようがない。無知からくる心配事だったのだ。
ライブが始まるや否や、私の不安は晴天の空のように曇り一つなくなった。
ぶっとんだ。
ライブの最初のほうは、ほとんど放心していたのであまりよく覚えていない。
新曲をやって、生で聴く歌声がすごい上手で、上手というか……
すごくて(語彙力)。
とにかく、すごくて(語彙力)。
Juice=Juice卒業間近の最も脂が乗っていた頃の歌声と比べても、現在がキャリアの最高到達点なのではないかと思えるくらいに歌が上手い。
そんで、まだ上手くなるの???という畏怖もある。
めちゃくちゃ努力していて、自分に甘んじず、常に高みを目指し、ファンを魅了して離さない姿勢には感服する。
最新が最高。歌もパフォーマンスもビジュも。
そんな幸せを与えてくれる人は、どの界隈のプロでも稀有ではないだろうか。
木のウロ(穴)があって、その穴はしっぽりと静かで居心地が良さそうだから、一晩の宿にと思ってちょっと入ってみたら、厳しいトゲの「かえし」がついていて、もがくほどにウロの奥へ引き摺り込まれ、もう二度と出られない。
私はとんでもないアイドルを好きになってしまった。
ライブ開始早々に胸中に満ちたのは、恐怖と紙一重の幸福だった。
どこがよかった、どうよかった、彼女のなにがいいのか、どこを好きなのか、そのひとつひとつを語るとライブのレポートにならないし、『大菩薩峠』くらい長くなってしまうので書かないが、あえてひとつだけ大好きなところを書くならその「表情管理」の徹底ぶりだ。
表情の演技力が並大抵のものではない。
歌詞に合わせてその感情を引き出し、歌声に乗せてダンスをするように、表情を作り出す。きわめて高い演技力と、見せ方の研究の深さを窺い知れる。
どのポイントで、あごの角度はどれくらいで、眉毛の角度はどれくらいで、まぶたはどれほど開けて、瞳はどこに向けて、口角をどれくらいあげて……あの小さなお顔につまった表情筋が、完璧にコントロールされている。
明確にそれは演技だとわかる。その一線の引き方が素晴らしい。
それが演技ではなく、毎回自然と出せる本物の感情だとしたら、それはきっと、「嘘」に見えかねないだろう。
演技だと分かるからこそパフォーマンスに「嘘」がないことがわかり、彼女の全力を感じ取ることができる。「感情」をパフォーマンスとして昇華しているのだ。
その表情のあり方には、一種の「気持ちよさ」すらある。
そしてさらに良いのが、ときどき無邪気に見せる笑顔だ。身につけた演技ではない、素のままの笑顔が、ここで効いてくる。
心臓を一突き。
会場の馬鹿でかいモニターにドアップで映る佳林さんの表情。
たとえば私がこのモニターに映されたら大事故になるので、アイドルってのはすごいものだなと思い知らされる。
遠目からにもきらりと光る笑顔が、もう眩しくて眩しくて、胸が苦しくなった。
コールもなんか周りに合わせてたら楽しかったし、むしろ周りの声がよかった。
Juice=Juiceメドレーをやったとき、隣の席の男性が、曲が変わるたびに「おお〜…」とか「やべぇ…」とか「うっ」とか言っててよかった。その嗚咽には至極同意できたし、私も「くぅぅ…」とか言ってたし、泣いていたので。
かなり昔の曲とか、知らない曲も多かったけど、そのことをライブで知れてよかった。まだまだ知りたいことがたくさんあるその嬉しさよ。高まるというものだ。
新曲もどれもよかった〜〜〜!!これからのリリースも楽しみ!!!
タオルを振り回すのも楽しいし、声を出せるのって気持ちいい。
ただ会場はかなり乾燥していて、しだいに喉が痛くなってくる感じがしていた。歌っている側に影響が出ないかすこし心配になったライブの終盤、佳林さんの歌声に翳りが出た。
高音を出しにくそうにしていて、ややピッチが狂う。
そりゃこんだけ乾燥してたら声も出なくなるし、だいたい、MCも少なくて歌いっぱなしだから喉も疲弊する。むしろここまでなんともなくやってきてるのがすごい。ステージ上では一回も水を飲んでいない。飲めよ。飲んでください。
ステージ上で水を飲んだからって批判する輩がいるわけがない。職務中に水分補給をして怒られるのは救急隊員などの公務員だけだ(それも本来おかしい批判だ)。
どうか体を壊してほしくない。長く楽しく歌い続けてほしい。
そしてこうして私のような卑小な輩が心配をしていること自体が佳林さんの心労になってしまいそうなので、これ以上は書かない。
信じてるから大丈夫だ。
悔しそうにしている佳林さんは、努力をしている女の子で、その悔しさがわかるぶん、ステージ上であれだけ輝いているのに、なんだかすごく等身大の女の子にも見えた。
その「近さ」が私の心臓をもう一突きした。
どうか鼓動よ、止まるな。
ステージで泣いてなんかいない。120%を届けてくれた。
ちゃんと届いてる。
好きという以上に、敬いたくなる。
私はいったい、なにをしているのだろう。なにをしてきたのだろう。
ライブが終わり会場がぼんやりと明るくなって、拍手が鳴り止まない中、呆然としてしまった。
自分よりも年下の女の子があんなに頑張って、一生懸命で、努力家で、魅力的で。
ああ、私は。
私も、がんばろうと、がんばって生きようと、そう思った。
「がんばれ」なんて言ってしまうと必要以上にがんばってしまうだろうステージ上の彼女には、だからどんな言葉もかけられない。ただ私ができるのは、これからもライブに行くことと、推し続けることだけなのだ。
私もがんばって生きよう。
またライブに来るために。
たとえば佳林さんと目が合ったときに、自分が恥ずかしくないように。
生で見る佳林さんは
白くて、
美しくて、
可愛くて、
格好良くて、
これ以上にないくらいに最高で、
それでもなお、これ以上があるのだと期待させてくれる最高のアイドルで、
そして信じさせてくれる、最高の推しだった。
(デコ出し可愛いすぎるよ……………)